花江夏樹&斉藤壮馬:「ホウセンカ」に「感動」「涙」 収録の裏側語る
配信日:2025/10/22 21:51

テレビアニメ「オッドタクシー」を手がけた木下麦監督とマンガ家で脚本家の此元和津也さんが再びタッグを組んだオリジナル劇場版アニメ「ホウセンカ」の舞台あいさつが10月22日、新宿バルト9(東京都新宿区)で開催され、木下監督、声優の花江夏樹さん、斉藤壮馬さんが登場した。花江さんは「自分に置き換えて考えた時、すごくグッときて、涙が出てきました。構成が素晴らしく、伏線が最後に回収され、こんなにキレイに収まるんだと感動しました」と「ホウセンカ」を絶賛した。
斉藤さんも「素晴らしかったです。僕は、いろいろなフィクションに救われてきました。今、出会えたことが一つの救いになりました。今よりも内省的で、世界は自分のことを分かってくれない、誰も自分のことを見ていないかもしれないと思っていた時期に見たとしても、ものすごく救われていただろうなと思います。いろいろな出会いがあって、縁がつながって、役者として関わらせてもらえてることに感謝したいくらい素晴らしい作品です」とうなずいた。
「ホウセンカ」には、小林薫さんと戸塚純貴さん、満島ひかりさん、宮崎美子さん、ピエール瀧さんらが出演している。主人公・阿久津実のパートナー・永田那奈の息子の健介を演じる花江さんは、「オッドタクシー」で主人公の小戸川、インテリヤクザの若松役の斉藤さんは「オッドタクシー」でゲーム会社勤務の田中を演じたことも話題になった。
木下監督は、花江さんと斉藤さんの起用理由を「この人に魂を吹き込んでいただきたいという人にお願いしています。壮馬君と花江さんの技術と熱量は知っていたので、オファーしました」と明かした。
花江さんは、宮崎さんと一緒に収録したといい「生っぽいお芝居だったので、どれくらい寄せるかは悩みましたが、一緒に掛け合いができたので、すごくやりやすかったです。すごく素敵な方で、安心感がありました」と振り返った。
インテリヤクザの若松役の斉藤さんは、何度もテークを重ねるなど収録は一筋縄ではいかなかったようで「登場シーンは少ないけど、かなり時間を掛けて収録しました。最終的に、いろいろなテークをパッチワークのように組み合わせたものになっているのですが、自分はまだまだ平面的にしか人物を掘り下げることができていない……と収録が終わってすごく悔しくて。本気だからこそ悔しいし、楽しかったです」と明かした。
斉藤さんは、花江さんの演技を「キャリアの初期に、花江君が主人公で、僕がモブということがあったのですが、彼の芝居を聞いて、僕は一生この人と同じ道は歩めないと分からされたんです。好きであり、憧れでもあり、信頼しているので、今回も抜群にうまみが出ていると感じました」と絶賛。
花江さんは、「ホウセンカ」の斉藤さんの演技の魅力を「撃たれたシーン、あそこがすごく好き! 3回くらい見ました。すごく魅力的でした」と述べた。
最後に、花江さんは「本当に素敵な作品。何年後かに見ても、感じ方が変わるかもしれません。皆さんの中に『ホウセンカ』がずっと咲き続け、心の中にずっと生きているといいなと思っています」としみじみ語った。
「ホウセンカ」は、独房で孤独な死を迎えようとしていた無期懲役囚の老人・阿久津実が、人の言葉を操る謎のホウセンカに「ろくでもない一生だったな」と話しかけられ、会話の中で自身の過去を振り返り始める。過去の人生と向き合い、失ったものを取り戻そうとする。
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