アイカツ!×プリパラ:奇跡のコラボは必然か? 不思議な一体感 大川貴大監督インタビュー

配信日:2025/10/09 7:01

「アイカツ!」と「プリパラ」がコラボした劇場版アニメ「アイカツ!×プリパラ THE MOVIE -出会いのキセキ!-」(c)Aikatsu,Pripara 10th Project
「アイカツ!」と「プリパラ」がコラボした劇場版アニメ「アイカツ!×プリパラ THE MOVIE -出会いのキセキ!-」(c)Aikatsu,Pripara 10th Project

 アニメやゲームなどが人気の「アイカツ!」と「プリパラ」がコラボした劇場版アニメ「アイカツ!×プリパラ THE MOVIE -出会いのキセキ!-」が10月10日に公開される。2作の10周年を記念した“奇跡のコラボ”で、「アイカツ!」の大空あかり世代と「プリパラ」がタッグを組んだ。2作の出会いは“必然”だったのでは?とすら感じるほど、不思議な一体感が生まれた“奇跡のコラボ”となっている。コラボ作を手掛けた大川貴大監督に制作の裏側を聞いた。

 ◇2作のファンだった大川監督

 テレビアニメ「アイカツ!」が2012年10月に放送を開始した。大空あかりは2014年10月にスタートしたテレビアニメ3rd Seasonの主人公だ。「プリティーシリーズ」の「プリパラ」は、テレビアニメが2014年7月にスタートした。「アイカツ!シリーズ」と「プリティシリーズ」では過去にも作品の垣根を超えた共演はあったが、今回は「アイカツ!」あかりGenerationと「プリパラ」の10周年を記念して、劇場版アニメが制作されることになった。

 大川監督は「アイカツスターズ!」「アイカツフレンズ!」「アイカツオンパレード!」「アイカツプラネット!」などに加え、「プリティーシリーズ」の「キラッとプリ☆チャン」にも参加した経験がある。実は参加する前から「アイカツ!」「プリパラ」のファンだったという。

 「自分が業界に入ったのが、初代の『アイカツ!』の頃で。その時は関わっていなかったのですが、好きで見ていたんです。『プリティーシリーズ』は『プリパラ』の前の『プリティーリズム・レインボーライブ』辺りから見ていて、ファンだったんです。ただ、10年以上前ですし、さすがに忘れていることもあるので、見直しました」

 「アイカツ!×プリパラ」は、ファンだったスタッフが制作したことがうなずけるアニメになっている。ファンのツボを押さえているのだ。一本の劇場版アニメの中にそれぞれの魅力が凝縮されている。それぞれの魅力をどのように考えているのだろうか?

 「『アイカツ!』は、前向きでひたむき。みんなが純粋にアイドルを目指し、努力して、現実的な問題にぶつかったりもするけど、めげずに前を進みます。見ていて、そこが心に響きました。『アイカツ!』は団結の強さが魅力だとすると、『プリパラ』は個性の強さが魅力になっています。『プリパラ』は、なりたい自分になるために個性を出し、お互いの個性を潰し合うことなく、ナチュラルにお互いの意見を言いながら進んでいきます。今になって考えると、多様性を描いているようにも見えます」

 ◇並べてみると違和感がない

 「アイカツ!」はバンダイナムコピクチャーズ、「プリパラ」はタツノコプロが制作した。アイドルアニメという共通点があるものの、制作会社が異なれば、キャラクターデザインも違う。しかし、「アイカツ!×プリパラ」はなぜか違和感なく共存している。

 「キャラクターデザインは当時を懐かしんでいただきたい気持ちが強かったので、変えたくないと考えていました。当時の設定をそのまま使っています。並べてみたら意外にいけるんじゃないかと気付きました。顔の大きさなどバランスが多少違いますし、きっちり設定で決めたわけではなく、シーンによって調整しています。色彩設計は『アイカツ!』の大塚眞純さんにお願いして、『プリパラ』の色を『アイカツ!』に寄せています。『プリパラ』の方がビビッドな印象があったし、全然違うんじゃないかと思っていましたが、並べてみると違和感がないんです。だから微調整だけでした。不思議なんです」

 制作会社が異なってもいつの間にか共鳴していたのか、不思議な一体感がある。

 「『アイカツ!』のあかりGenerationは『プリパラ』の個性を自然と受け止めてくれるところもありますしね。脚本の土屋理敬さんも『アイカツ!』のキャラクターがいたからうまくまとまったとお話されていました。『プリパラ』のキャラクターだけだったら、この尺で自然に一致団結する流れを作れなかったと思います。両方の個性を抑えて、混ぜるのではなく、『プリパラ』も通常運行でストーリーが進みます。シナリオの面もスムーズで、自分でやっていても不思議でした。絶妙なバランスで成り立っているんです。『アイカツ!』『プリパラ』のそれぞれのスタンスは違うかもしれませんが、ライブでみんなを楽しませたいという思いは一つです。向いている方向は同じなので、そこでまとめられたところもあります」

 “奇跡のコラボ”ではあるが、パズルのピースが美しくハマったようにも見えてくる。キャラクターの数も多いが、それぞれに見せ場もある。

 「この尺でこれだけの人数を扱うことは本来難しいですし、絵コンテを書く前は、不安もありました。実際に書いてみると、キャラクターのセリフ、行動のイメージができて、いけるな!と思うようになりました。アニメを見返しながら、絵コンテを書いていると、入れたいネタがどんどん増えて、隙間に入れるだけ入れていきました。それぞれのキャラクターのバランスを考えた結果、大人数のシーンが増えて、作画の負担を掛けてしまいましたが……」

 ◇全てはファンのために

 「アイカツ!」「プリパラ」といえばライブシーンも大きな見どころだ。「プリティーシリーズ」でおなじみのタツノコプロの乙部善弘さんがCGディレクターを務める。

 「CGはお任せしているのですが、当時、『アイカツ!』のCGを担当されていたチームからモデルやモーションをいただき、タツノコプロさんがそれに手を加えています。キャラクターモデルに関しては両作品のキャラが同じステージに立った時になじむように、それぞれのモデルを調整してもらっています。これだけの人数なので、すごいことです。演出は、既存曲はこれまでのカメラワークを生かしていますが、変わっているところもあります。乙部さんとは今回、初めてご一緒させていただきましたが、本当にすごいんです。『これは難しいですかね……』と言ってみたら『いや、できるんじゃないですかね』とやっていただけたり」

 ライブシーンは、数々のサプライズも用意されているという。

 「公開前の予告から想像できないようなライブもあります。使い回していません。全部新作です」

 「アイカツ!×プリパラ」は驚きと感動だらけのコラボとなった。

 「ファンの方にはそれぞれの思いがありますし、当時の気持ちに戻って楽しんでいただけるような作品を目指しました。観客=ファンという描き方もしていますし、キャラクターと一体となって一緒にライブを盛り上げるように楽しんでいただきたいです」

 「ファンの方に喜んでいただくことだけを目指しました」と大川監督は、全てはファンのために「アイカツ!×プリパラ」を作り上げた。愛が詰まった“奇跡のコラボ”をぜひ楽しんでほしい。

提供元:MANTANWEB

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