小松未可子×小清水亜美:「キャッツ・アイ」インタビュー 大役にプレッシャー 令和版も“お約束”アリ
配信日:2025/10/04 8:01

1980年代を中心に人気を集めた北条司さんのマンガ「キャッツ・アイ」の完全新作アニメが、ディズニープラスで9月26日から独占配信されている。同作は、1983~85年にもテレビアニメが放送されており、約40年ぶりに再びシリーズアニメ化されることになった。喫茶キャッツアイのオーナーである美人三姉妹の来生瞳、泪、愛が、怪盗キャッツアイとしてクールに夜を駆け、世間を騒がす……というストーリー。三姉妹の瞳役の小松未可子さん、泪役の小清水亜美さん、愛役の花守ゆみりさんが出演することも話題になっている。小松さん、小清水さんに同作への思いを聞いた。
◇オーディションで頭が真っ白に
ーー「キャッツ・アイ」にどんなイメージを持っていた?
小松さん 40年前は生まれていなかったので、世代ではないのですが、それでも作品と楽曲を知っていました。三姉妹で怪盗、 刑事の恋仲というベーシックな情報はいつの間にか知っていました。何で知ったのか、覚えていないくらい自然に刷りこまれていたんです。それくらい偉大で影響の大きい作品というイメージがあります。
小清水さん 私は再放送世代で、子供の頃に学校から帰って、テレビで見ていました。エンディングのイメージが強くてエアロビの真似をしたりしていました。今でこそ珍しくないのかもしれませんが、女性が異性に頼ることなく、自分たちの力で目的を達成しようとしていき、格好いい女性として見ていて、子供ながらに憧れがありました。当時は子供だったので、セーラームーンごっこをしていましたが、3人の時はキャッツ・アイごっこもしていました。折り紙で手裏剣を作って「盗み出す!」とか言っていましたね(笑)。大人になってから見ると、三姉妹には重い目的があったことに気付いて、驚いたりもしました。
ーー出演はオーディションで決まった?
小松さん テープオーディションとスタジオオーディションでした。プレッシャーがありましたね。テープオーディションの時は、作品へのリスペクトが強いこともあって、80年代のアニメのイメージをなるべく表現したくて、改めてアニメを見直しました。スタジオオーディションで、「一回、用意したものをリセットして、新しく作り上げるとしたら?」と言われ、頭が真っ白になりました。瞳は戸田恵子さんのイメージがすごく強かったですしね。出演させていただくことになり、現場に行かないと分からないと思いましたし、ドキドキしました。
小清水さん テープオーディションの段階で、三姉妹以外のキャラクターで受けさせていただくことになったのですが、記念受験のつもりで、三姉妹でも受けていいでしょうか?と尋ねて、OKをいただき、すごく考えました。自分の実年齢を考えて、藤田淑子さんとは声が違いすぎますが、泪さん一択か…となりまして。自分の声でリスペクトを込めて記念受験をさせていただいたところ、スタジオオーディションに呼んでいただいたんです。そこで、未可子ちゃんと同じことを言われて、それは全く考えていなかった…ノープランで。「『自分らしさ』に一番自信がないのですがやってみます……」と臨みました。これは受からないだろうと思っていたら、出演が決まり、腰が抜けそうになりました。プレッシャーもそうなのですが、さて、どうしようか?という気持ちもありましたし、やっぱり喜びも大きかったです。
ーー周りの反響は?
小松さん 親が「キャッツ・アイ」を好きでしたし、「瞳!? 大丈夫? 要素ある?」と親からもプレッシャーを感じましたし(笑)。目の前で披露するわけにはいかないので、どう思うかちょっと怖いですね。アニメの関係者の方からも「頑張って!」とプレッシャーがあったり。
小清水さん 同級生からネタで「レオタードを着るの?」と言われました(笑)。「亜美にセクシー要素を感じたことがないし、お母さんのような気持ちで見るね」と言われたり。子供の頃に見ていた作品ですし、それぞれの思いがあるんですよね。
◇まずラブコメであること
ーー演じる中で意識したことは?
小松さん 第1話は緊張しました。自分が思っているよりも「若めで」というディレクションをいただいたのですが、北条先生の絵からこういうふうにしゃべってほしいという自分の中の理想みたいなものがあったので、そこを崩さずに、テンションを気持ち若めにしようとしました。冷たい印象に聞こえることもあり、俊夫に対しては「もっと優しく」というディレクションをいただきました。
小清水さん 結構ラブコメですしね。
小松さん 今回は「まずラブコメであること」が大前提としてあって、テンションを意識しつつ、なるべく柔らかい魅力を出そうとしました。
小清水さん 可愛かったよ!
小松さん ありがとうございます! 時代設定も令和ですし、当時の年齢感と今の年齢感も変わっていますしね。
小清水さん (80年代のアニメの)キャストへのリスペクトが強すぎますしね。私は自分自身が作品のファンだから、自分への評価が厳しくなるんです。こんなの泪さんじゃない……と自分との戦いがありました。泪には大人の魅力もあります。今の年齢感を意識しつつ、三姉妹の中では落ち着いていて、プランを考える指示役や説明役でもあって、女性の柔らかい魅力を持たせながら、ビシッとした感じも意識させていただいています。自信はないのですが、努力ポイントでした。
小松さん 現場で3人が並ぶと、本当に姉妹のような雰囲気がありました。それぞれのポジションも近いものがあったかもしれません。小清水姉さんを頼りにしていました!
小清水さん 重いプレッシャーを背負いながら「行くわよ!」って(笑)。収録の時は緊張感がありますが、皆さんが穏やかで、休憩時間はふんわりしていて、家のリビングのような癒やしがありました。第1話の段階でそれを感じていました。自分が入っているから、こんなことを言うのも何ですが、すごく素敵なキャスティングで、心地よかったです。
小松さん そうでしたね。
◇高揚感やワクワク感が
ーーアニメの見どころは?
小松さん 瞳に関しては、俊夫との関係性ですね。刑事と怪盗は敵対するけど、恋人同士であって、公にはできない秘密の活動をしています。瞳には、いろいろな顔がありながら、誰にも言えない心情が時々出てきます。そこが彼女のミステリアスな魅力でもあって、見どころの一つなのかなと思います。昭和感を残しつつも、令和にアップデートされたラブコメもあります。
小清水さん 令和だけどお約束もありますよね。
小松さん これこれ!となりますし、そこも楽しみにしてほしいところです。
小清水さん 令和版になって、愛ちゃんのスペシャル技術の発明品も楽しみにしてほしいポイントです。発明品の名前を言うのですが、そこも注目してもらいたいです。
ーー改めて「キャッツ・アイ」の魅力をどのように感じた?
小松さん やっぱり三姉妹が魅力的なんですよね。泪姉さんは、包容力と母性、そしてセクシーさと知性を兼ね備えています。瞳は成熟しきれていないけど、同級生の憧れのマドンナ的な存在で、中身は頑固で負けん気が強い。愛ちゃんはボーイッシュな魅力もあるけど、キュートで、発明もできます。どのヒロインを見ても、こんな人がいたらいいなとなる憧れが詰まっています。都会が舞台で、大人の魅力もありますし、当時の憧れが凝縮されていると改めて感じました。40年の時を経て、令和になって、新鮮に見えるところもあると思います。
小清水さん “女性らしさ”などにとらわれていないのは、現代につながる魅力だと思います。瞳は、俊夫に精神的に頼っているところもあるけど、頼り切っていなくて、平等な関係が素敵です。各話に悪いお金持ちの皆さんが出てくるのですが、それもいいんですよね。面白いですし。
小松さん そうですよね。気持ちいいくらい悪いんです。
小清水さん 泪はオシャレなバーに行ったり、大人なんです。そんなところでお酒を飲むなんて、私は通ってきてない道ですし、憧れの世界が詰まっていると思います。
小松さん オープニング、エンディングも格好良くて、高揚感やワクワク感があります。令和のアレンジになっていますが、当時の雰囲気も残っていて。初めて見る人も新鮮に映ると思います。昔から応援している方は、これだよね!と懐かしくなるシーンもあります。その両方がいい意味で融合しているのが、今回の「キャッツ・アイ」だと思います。
小清水さん お約束もあっていいんですよね。俊夫さんたちも気付かず、バレそうでバレない。これがお約束か!とワクワクします、三姉妹と俊夫さん以外にも素晴らしいキャラクター、キャストがそろっています。そこも楽しみにしていただきたいです。
提供元:MANTANWEB