藤寺美徳:「太陽よりも眩しい星」インタビュー フレッシュ声優 高校卒業で変化は?
配信日:2025/09/28 9:31

「先生!」「高校デビュー」「青空エール」などで知られる河原和音さんのマンガが原作のテレビアニメ「太陽よりも眩しい星」が、TBS系で10月2日から毎週木曜午後11時56分に放送される。平均より頑丈な女子・岩田朔英の初恋を描く。岩田朔英を演じるのは、「ひみつのアイプリ」「花は咲く、修羅の如く」などでも話題の藤寺美徳さんだ。この春に高校を卒業したばかりのフレッシュな藤寺さんに、収録の裏側や声優としての活動について聞いた。
◇心の優しい朔英への憧れ
「太陽よりも眩しい星」は、2021年6月から「別冊マーガレット」(集英社)で連載中のマンガ。岩田朔英は小学生の頃、神城光輝にひとめぼれする。細くて小さかった神城は、中学生になると、爽やかイケメンに成長し、遠い存在になってしまったが、中学最後の体育祭をきっかけに心の奥にしまってきた初恋が動き出すことになる。小野友樹さんが神城を演じる。
「初めて読んだ時、面白くて可愛くて切なくてキュンキュンして……とページをめくる手が止まらなくて、愛おしい朔英ちゃんを演じたいと心の底から思いました。朔英ちゃんの視点で物語が進んでいくので、一緒に心を動かしてドキドキして感情移入しながら読ませていただいていました。オーディションでは、朔英ちゃんを演じたいっていう気持ちで臨んだのですが、スタッフの皆さんがすごく温かくて。こんな素敵な皆さんと一緒にお仕事がしたいなと思ったのを覚えています。緊張しましたが、朔英ちゃんを演じたいとより強く思うようになりました」
藤寺さんが演じる朔英は、優しく、困っている人を放っておけない性格。真面目で優しいキャラクターをどのように演じようとしたのだろうか?
「自然体なお芝居を目指していました。セリフが心にすっと入ってくるのが素敵で、特にモノローグは、俯瞰するように、朔英ちゃんはいろいろ考えていると感じていました。朔英ちゃんの言葉は、思いやりが詰まっていて、言葉の選び方も素敵です。言葉にするまで少し時間がかかってしまうところがあって、そこに共感しました。オーディションを受ける時、マネージャーさんから『雰囲気が似ているね』と言ってもらえてうれしかったです。朔英ちゃんのような心の優しい女の子は憧れです」
モノローグが多いのも特徴だ。モノローグからも優しさが伝わってくる。
「モノローグとオンのセリフの切り替えを大切に演じさせていただきました。最初はモノローグだけど、オンに聞こえてしまうことに悩み、技術的に難しかったのですが、神城役の小野さんにアドバイスをいただいたり、音響監督さんに相談して、少しずつ、自分の中で方向性が固まってきました。マイクの距離を変えたり、言葉を届ける距離感や範囲をちょっと変えたりと難しかったのですが、楽しかったです」
◇この作品に出会わなかった自分を想像ができない
小野さんら共演者に助けられることも多かった。
「作品の世界のように温かい皆さんなんです。小野さんとは収録の前に一度打ち合わせの機会をいただき、その時に初めてお会いしたのですが、扉から入ってこられた瞬間に、太陽のような明るさで、収録中も支えていただきました。(小野寺翡翠役の)羊宮妃那さんとは私のデビュー作でもご一緒させていただいたことがあって、その時は1、2回くらいしか一緒にできなかったので、すごく楽しみにしていました。そのことを羊宮さんに伝えたら『私もだよ』と言っていただき、それもすごくうれしかったです」
デビュー当時はコロナ禍で、分散収録になることも多かったが、今作はキャストが集まって一緒に収録することができた。先輩たちと共演し、収録を重ねる中で、自身の成長を実感するようになったようだ。
「ダイレクトに聞こえてくるものに返していくのが楽しくて、その場の空気も全然違いますし、収録は毎回が唯一無二のものだと感じています。この作品に出会わなかった自分を想像ができないくらいたくさんのことを学ばせていただきました。収録を重ねるごとに、朔英ちゃんとの距離が近くなっているようにも感じていました」
◇いずれは男の子や大人も演じたい
藤寺さんは2006年12月18日生まれの18歳。「NEXT声優アーティストオーディション」で応募総数約1500人の中からグランプリに選ばれ、2021年、中学3年生の時に「ワッチャプリマジ!」の御芽河あうる役で声優としてデビュー。この春には高校を卒業した。
「高校を卒業して、生活が変わってきたように感じています。毎日同じ場所で同じ人と会うことがなくなって、生活のリズムが一番変わっていますし、校則もないですし、高校生の時はなかなかできなかったネイルを楽しむようになりました。元々、ものづくりが好きなので、ネイルをいろいろ楽しんでいます。お仕事にもより集中できるようになりました。いろいろなものを見てみたくて、先日は初めて落語を見に行きました。言葉のテンポ感など勉強になることがいっぱいありましたし、また近々行ってみたいと思っています。いろんなものを見て、学んでいきたいです」
収録以外でも貪欲に吸収しながら成長中の藤寺さんに、声優としての目標を聞いてみると……。
「いずれ男の子を演じてみたいです。ゲームやアニメで少しだけ演じたことはあるのですが、すごく楽しくて、もっとやってみたいですし、突き詰めていきたいです。求められたことに瞬時に対応できるようになって、いろいろな面を見せられる声優になりたいです。今は朔英ちゃんのような等身大の女の子を演じることももちろん楽しいですが、いずれは大人っぽいキャラクターやみんなをまとめる兄貴みたいなキャラクターにも挑戦していきたいですし、なにより常にキャラクターに寄り添っていられる声優になりたいです」
「太陽よりも眩しい星」の放送に向けて、藤寺さんは「この作品は、モノローグなどの繊細な感情やコミカルなシーンが素敵で、その対比にぜひ注目していただきたいです。それぞれのキャラクターの魅力がどんどん見えてくるので、ぜひ楽しみにしていただきたいです。また原作もどんどん話が進んでますので、アニメと合わせてどちらも楽しんでいただけたらうれしいです」と話す。フレッシュな魅力と挑戦心を武器に、声優として大きく羽ばたいていく藤寺さんのこれからの成長と活躍に注目したい。
提供元:MANTANWEB