アニセカ小説大賞:大賞受賞作「おふる」アニメ化 佐藤順一総監督「がつがつしていない主人公が魅力」 追放された姫が幸せを掴むラブロマンス
配信日:2025/09/17 15:33

ツインエンジン、ストレートエッジによる文芸賞「アニメで世界へ!小説大賞(アニセカ小説大賞)」の授賞式が9月17日、東京都内で行われた。受賞作品のアニメ化、書籍化を確約する公募の文芸賞で、応募総数約6000作品の中から大賞に選ばれたぷりさんの「【私のおふるで悪いんだけど】とお母様(ヒロイン)に取り巻きを押し付けられ、嫁いだ辺境でも嫁扱いされませんが、おかげで自由に生きれます!」(略称「おふる」)のアニメ化プロジェクトが始動した。「美少女戦士セーラームーン」「おジャ魔女どれみ」「ARIA」などを手がけてきた佐藤順一さんが総監督を務め、2024年に設立した新鋭スタジオのNAGOMIが制作することも発表され、佐藤総監督が作品の魅力を語った。
同作は、実母の王妃により王宮を追われたお姫様が、追放先の辺境で幸せを掴むラブロマンス。不遇な状況の中でも魔法を宿したぬいぐるみと共に困難を乗り越えていく軽快なストーリーと心温まる世界観が高く評価された。
佐藤総監督は「タイトルは長いですが、重要な要素が入っている。魅力的なのはがつがつしていない主人公。逆境に立たされるが、タイトルにもある『おかげで自由に生きれます!』というのが軸だと思います。サラリーマンのインタビューなどを見ると、2020年くらいの時点で、昇進したくないという20代が7割くらいいる。面倒臭いことに巻き込まれるより自由でいたいという人たちが共感できるところがこの作品にはある。とはいえ、何もかも諦めているわけではなく、主人公は人のためにパワーを発揮する」と魅力を語った。魔法を宿したぬいぐるみが登場することにも触れ、「アニメ化する上で楽しい要素が入っている。『アニメで世界へ!』にふさわしい作品だと思っています」と語った。
ぷりさんは、佐藤総監督が手がけた「カレイドスター」が大好きと話し、「(佐藤総監督が参加した)『とんがり帽子のメモル』も、小さい頃にレコードを買って、歌っていました。大変光栄です」と話した。
授賞式に登場したツインエンジン代表取締役の山本幸治さんは「選考過程からおすすめをしていたさとじゅんさん(佐藤総監督)がやってくれるということで、楽しみですし、安心しました」と話し、今回の「アニセカ小説大賞」について、「コミック原作全盛の時代は、アニメ化をコンペで取り合っていました。今、アニメはいろいろな形があり、コミック原作だけでなく、オリジナル作品や小説原作の作品が出てくるといいなと思います。以前は、アニメはオタクのものでしたが、アニメが世界に知られるものになった。今回、アニメ化によって作品が世界に知られるようになったらいいなと思います」と語った。
同大賞では、夏目ナナセさんの「ダンジョンすみっこぐらし~実力無自覚系配信者を世間は必死で探し出す。早くダンジョンから出てきて!?~」、宮前葵さんの「美貌の少年の家庭教師をしていたらイケオジ侯爵にプロポーズされたんですが?」が特別賞に選ばれた。2作品は書籍化され、実業之日本社から2026年に刊行される。
提供元:MANTANWEB