早見沙織:覚悟を持って挑んだ「鬼滅の刃 無限城編」 胡蝶しのぶ、童磨の激闘 全身全霊で思いをぶつける
配信日:2025/09/13 7:01
吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さんの人気マンガが原作のアニメ「鬼滅の刃」の新作劇場版アニメ「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」。「無限城編」では、鬼殺隊と鬼舞辻無惨率いる鬼たちとの最終決戦が描かれる。第一章では、鬼殺隊最強の剣士・柱の一人、蟲柱の胡蝶しのぶが、宿敵である上弦の鬼の童磨(どうま)と戦う。2019年放送の「竈門炭治郎 立志編」から約6年にわたってしのぶを演じてきた人気声優の早見沙織さんに、戦いの裏側を聞いた。
◇一滴一滴の思いを奮い立たせる
「無限城編」は三部作。第一章で、しのぶは宿敵・童磨と対峙(たいじ)することになる。
「元々、原作を読んで、流れを理解してはいたのですが、それでも、ついにしのぶさんの大事な戦いが描かれるんだ、いよいよきたか……という思いがありました。収録よりも随分前に台本をいただいていたのですが、台本を開くまでに覚悟が必要でした。しのぶさんが抱えている思い、自分の中で一緒に育ってきた時間があったので、台本を開くまで心構えが必要だったのです。映像をチェックしていた時、言葉にするのが難しいのですが『もっとだな』と思いました。声を出しながら練習をしていて『いや、もっとだな』となって」
しのぶの姉・カナエを殺したのが童磨だ。丁寧な口調が特徴で、しとやかな雰囲気をまとっているが、強い復讐(ふくしゅう)心を抱えている。宿敵を目の前にした時、しのぶは何を思うか? 早見さんは、童磨への激情が“もっと”必要だと感じた。
「しのぶさんは、姉が殺されたその時から、この戦いへの思いをずっと絶やさずにいたのだと思います。誰にも本当の思いを見せず、ずっと内側を煮えたぎらせてきた人間です。この人を倒すために……という最大の存在と出会うことになります。出会ったら、ゆっくりボルテージが上がっていくわけではないだろうなと思っていました。なので、練習をしている時は全然足りないと感じたんです。自分の中に流れてるしのぶさんと一緒に培ってきた一滴一滴の思いを奮い立たせるように向き合いたいと思いました」
◇宮野さん一緒に収録できて本当によかった
童磨を演じるのは人気声優の宮野真守さんだ。しのぶと童磨が戦うシーンは、宮野さんと一緒に収録した。収録では、お互いの思いをぶつけ合った。
「何度もやり直したり、リテークを重ねたりすることは多くはありませんでした。私もそうですし、宮野さんもそうです。本番が始まると、その時のお互いのほとばしるものを収録していただき、オッケーをいただきました。感情のラインを絶対に切らせないような流れを勝手に感じていました。その瞬間の流れの中で出てきたものが正解だったからこそ、オッケーをいただけたのかなと思います。宮野さんと一緒に収録できて本当によかったです。同じ空間で、一緒に演じられていなかったら、生まれなかった表現がたくさん詰まっています」
しのぶは、童磨を見て、すぐに自分の宿敵だと気付く。宮野さんが演じる童磨の第一声は不気味で、インパクトが大きい。
「宮野さんの第一声で、一気にゾワッとなる感覚。その生の声を聞いていて、しのぶさんも鳥肌が立つようなところがあったと思います。第六感みたいなもので、この人だと分かる。私も宮野さんの第一声を聞いた瞬間にスイッチが入るような感覚がありました。童磨は飄々としていて、会話が成立しているか分からないようなところがあります。しのぶさんは普段とは違って、それに対して飄々と返しません。童磨に対しては全てさらけ出します。収録は、一瞬一瞬がすごく濃密でした」
しのぶと姉・カナエとのシーンも印象的だ。カナエを演じる茅野愛衣さんと共演する中でも大きな刺激を受けた。
「大好きなシーンです。姉さんは、こんなに強く言ってくれるんだ……とビリビリきました。しのぶがこれまで見せてこなかった弱さを吐露するシーンでもあります。姉さんの芯の強さを感じました。収録するまで、あそこまでビシッと言ってくださるとは想像していなかったので、奮い立たせられました。 姉さんは格好いいんです!」
緊張感のある収録だったようだが、収録が終わった後、ほっこりすることもあったという。
「短い時間で収録しましたが、すごくエネルギーを使ったから、おなかがすいたんです。終わった後に『お肉が食べたいなあ』と話していたら、茅野さんが『今から焼き肉を食べに行こう!』と言ってくださって、カナヲ役の上田麗奈ちゃんと三姉妹で食べに行きました。そこで疲れはとれましたね(笑)。お二人に癒やしていただきました」
早見さん、しのぶが全身全霊で向き合った本作。ぜひ熱い思いを劇場で体験してほしい。
「鬼滅の刃」は、家族を鬼に殺された竈門炭治郎が、鬼に変異した妹・禰豆子を人間に戻すために鬼殺隊へ入隊する……というストーリー。原作は、2016~20年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された。コミックスの累計発行部数は2億2000万部以上。テレビアニメ「竈門炭治郎 立志編」が2019年4~9月に放送され、2020年10月公開の劇場版「無限列車編」が国内歴代興行収入1位となる約404億円を記録し、国内累計来場者数は約2897万人を記録した。「遊郭編」が2021年12月~2022年2月、「刀鍛冶の里編」が2023年4~6月、「柱稽古編」が2024年5~6月に放送された。「無限城編」は三部作。
提供元:MANTANWEB











