ソムタム田井のコスプレリポート:「モンスターハンター」レイヤー 女性らしい肉付きを意識
配信日:2025/08/09 20:55

コスプレは自宅で気軽に楽しめる趣味であり、アニメやゲーム、マンガなどの人気のバロメーターとしても注目を集めている。コスプレ文化の研究家でライター兼カメラマンのソムタム田井が、イベントに取材、参加して見つけたハイレベルなコスプレーヤーをピックアップ。衣装、ウイッグ、メーク、体づくりなど、キャラクターになりきる上でのこだわりについて聞く。
本稿では、ニコニコ動画の世界観をリアルに再現した大型イベント「ニコニコ超会議2025」で撮影、インタビューした、「モンスターハンターワイルズ」のジェマに扮(ふん)するMilaさん、アルマに扮するぐり粉さん、「デビルメイクライ」のトリッシュに扮するらんさんを紹介する。
「モンスターハンター」や「デビルメイクライ」をはじめ、「ストリートファイター」シリーズや「バイオハザード」シリーズなど、カプコンのゲーム作品はコスプレ界隈でも人気が高く、イベントでは同社のタイトルのキャラクターに扮したレイヤーを見かける機会が多い。
自身も「モンスターハンター」シリーズの大ファンだというMilaさんは、最新作に登場する加工屋ジェマのコスプレで「ニコ超」に参加。今回は特に、体形の再現に注力したと話す。
「ジェマは女性としてはガタイがよく、そこに筋肉がついたメリハリボディーが特徴的なキャラクターなんですけど、ただ単に筋肉質なのではなく、女性らしい肉付きであるところも魅力なので、2カ月間減量をして、スタイルの再現に取り組みました。まずは脂質制限に加え、有酸素運動やピラティスに励んで。そのうえで女性らしい肉付きは維持したかったので、食べないダイエットは控えて。お米をしっかり食べるなどして筋肉をつけながら、5キロの減量をしました。今回は間に合いませんでしたが、次にジェマのコスプレをするときは腹筋を割るところまでいきたいです!」
ウイッグや衣装は制作を依頼したそうだが、素材の質感であったり色味については細かく打ち合わせをして、現状の形に仕上げてもらったという。
「ウイッグに関してはシルエットを寄せられるように、ボリュームのあるポニーテールのものを作ってもらったのですが、かなり重くなってしまって、バランスを取るのがたいへんでした。衣装や小物に関しては、キャラクターの資料が少なくて……。ゲームをプレーしつつ、いろんな角度からひたすらジェマを観察して。そうして参考になる資料をそろえたうえで、制作を依頼させていただきました。生地の材質は“なじんだ皮”に見えるものを選んでもらったり、ゴーグルのレンズは何度も塗装して、色味を忠実に再現してもらったり。細部までこだわり抜いて作っていただけたので、仕上がりにはたいへん満足しています」
同じく「モンスターハンターワイルズ」に登場する、編纂者のアルマに扮するぐり粉さんは、ボリュームの再現にこだわった自作のウイッグを見てほしいと話す。
「こだわったところはウイッグの造形と体づくりです。ウイッグは全体的にふかしを入れてボリュームを出したかったので、かなり長めのものを購入して。そちらをカットしつつ細かく調節していき、理想のボリュームとシルエットに仕上げました。それと体づくりに関しては、主に顔の肉を落とすためのダイエットを頑張りました。とはいえ無理なことはせず、きちんとご飯を食べて、運動をして。健康的に痩せることを意識して。ほかにも、毎日10分は湯船に入って体を温めたり、間食をしないことを心がけたので、これらも効果があったように思います」
「デビルメイクライ」のトリッシュに扮するらんさんは、同作品の特徴である“スタイリッシュさ”を意識して、メークのクオリティーアップに励んだ。
「トリッシュは悪魔的な強さに加え、セクシーで美しいところも魅力のキャラクターです。そういった部分を表現したくて、アイメークで目力を強調し、シェーディングで彫りの深さを演出してみました。カラコンも自然かつ発色のいいものを選んだので、それらがうまく合わさって、いい感じに“トリッシュらしさ”を表現できていたら幸いです」
取材・文:ソムタム田井
提供元:MANTANWEB