鬼頭明里:「鬼滅の刃」 禰豆子役は「常に挑戦」 「吐息一つに意味を込めて」
配信日:2025/07/31 7:31

吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さんの人気マンガが原作のアニメ「鬼滅の刃」の新作劇場版アニメ「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」が7月18日に公開された。2019年4月に放送を開始した「竈門炭治郎 立志編」から主人公・竈門炭治郎の妹・禰豆子を演じているのが、声優の鬼頭明里さんだ。鬼頭さんは「竈門炭治郎 立志編」から約6年を経て、鬼殺隊と鬼との決戦を描く「無限城編」にたどり着き、「感慨深い」と語る。作品や禰豆子という役への思いを聞いた。
◇花江夏樹、下野紘、松岡禎丞は「頼りになるお兄ちゃん」
鬼頭さんは、三部作で描かれる「無限城編」には、強い思い入れがあるという。
「『鬼滅の刃』のアニメが始まった頃は、原作の連載では『無限城編』はまだ描かれていなくて、私自身、『(この作品は)こんなふうになっていくんだ』と思いながら原作を読んでいました。『無限城編』は、禰豆子としても、私としても読んでいた感じだったので、もう思い入れがすごくて。どうなってしまうんだろう?と思いながら読んでいた原作が、こうしてついに映画になるということですごく感慨深いです」
鬼頭さんは「鬼滅の刃」のイベントで、「無限城編」までたどり着いたことに「竈門炭治郎 立志編のことを思い出すと泣けてきます」とも語っていた。
「最初は山奥の竈門の家のシーンから始まって、アフレコ現場に集まっているキャスト自体も今と比べるとすごく少なかったんです。私自身、ジャンプ作品に出ることが一つの夢で、それがかなった作品でもあったので緊張していましたし、炭治郎役の花江(夏樹)さんも緊張されていて。今みたいなにぎやかさ、熱量とはまた違った緊張感のある現場がしばらく続いていたように思います。禰豆子って、すごく難しい役柄ですが、『鬼滅の刃』は本当に面白い作品ですし、スタッフさんたちもすごく気合が入っていることは第一話から伝わってきていたので、すごくプレッシャーを感じていました」
その後、我妻善逸、嘴平伊之助が登場してからは「ちょっとコミカルなテンポになってきた印象です。その頃から考えると、今はだいぶ状況も変わって、仲間も増えました」と語る。
多くの仲間が増えた中でも、炭治郎役の花江さん、善逸役の下野紘さん、伊之助役の松岡禎丞さんとは、収録以外でもさまざまなイベント、番組などを共にし、「お兄ちゃん」のような存在になっているという。
「皆さん、本当に最初から頼もしくて、『この人たちについていけば大丈夫』と思わせてくれる方たちばかりだったので、お芝居についてもですし、イベント、バラエティー、トークという面でも本当に頼りになるお兄ちゃんたちだなと思っています」
◇変化し続ける禰豆子
鬼頭さんが演じる禰豆子は、変化の多いキャラクターだ。鬼になる前の状態から、鬼になり、そして太陽を克服し、たどたどしいながらも言葉を話せるようになってきている。鬼頭さんは「本当にずっと変化し続けているから、役をつかめたと思うことがなくて。演じる度に『また新しい禰豆子が出てきたな』と思いながら、そのたびにまた挑戦している感覚です」と語る。
鬼頭さんは、禰豆子を演じる上で「正解はない」と感じているという。
「私の中にも正解はないですし、みんなが『こうかな? こうかな?』と模索しながら作り上げていっている感覚があります」
難しい役柄である禰豆子を演じ、鬼頭さん自身、成長を感じていることもあるという。
「禰豆子は、メインキャラクターではあるんですけど、本当にセリフが少なくて。ただ、少ないながらもセリフの一つ一つには意味があるんだろうなと思っていたので、うなりに関しても、意味をすごく考えながら演じるようになりました。ほかの作品も含め、吐息一つにも意味を込められるようにキャラクターを深掘りできるようになってきたような気はします」
「柱稽古編」より禰豆子は鱗滝左近次の元にいる。鬼頭さんら声優陣が一つ一つの言葉、吐息に込めた思いを劇場で体感したい。
「鬼滅の刃」は、家族を鬼に殺された竈門炭治郎が、鬼に変異した妹・禰豆子を人間に戻すために鬼殺隊へ入隊する……というストーリー。原作は、2016~20年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された。コミックスの全世界累計部数は2億2000万部以上。テレビアニメ「竈門炭治郎 立志編」が2019年4~9月に放送され、2020年10月公開の劇場版「無限列車編」は、国内来場者数が2897万人を突破し、国内歴代興行収入1位となる約404億円を記録した。「遊郭編」が2021年12月~2022年2月、「刀鍛冶の里編」が2023年4~6月、「柱稽古編」が2024年5~6月に放送された。
※禰豆子の「禰」は「ネ+爾」が正しい表記となる。
提供元:MANTANWEB