伊藤潤二:アニメシリーズ第3期「クリムゾン」制作 松任谷由実が主題歌を書き下ろし
配信日:2025/07/04 8:00

「富江」シリーズなどで知られるマンガ家の伊藤潤二さんのマンガをアニメ化するシリーズの第3期として、「伊藤潤二『クリムゾン』」が制作されることが分かった。これまでアニメシリーズ「伊藤潤二『コレクション』」が2018年、「伊藤潤二『マニアック』」が2024年に放送されており、第3期として「伊藤潤二『クリムゾン』」が制作されることになった。第3期のコンセプトは“怪物”で、独特の狂気に満ちた傑作を厳選し、アニメ化するという。シンガー・ソングライターの松任谷由実さんが同作の主題歌「烏揚羽(からすあげは)」を担当することも発表された。
仏パリで開催中のイベント「Japan EXPO 2025」で発表された。松任谷さんが2024年に世田谷文学館(東京都世田谷区)で開催された「伊藤潤二展 誘惑」を訪問したことをSNSで投稿し、それを以前から松任谷さんのファンだった伊藤さんが目にしたことがきっかけで交流がスタートし、今回の主題歌起用につながったという。同楽曲は今秋に発売される松任谷さんの40枚目となるオリジナルアルバムに収録される。伊藤さんの描き下ろしイラストを使用したミュージックビデオがYouTubeで公開された。
伊藤さんは「現在、私の原作を基にした、伊藤潤二『クリムゾン』というアニメが作られています。このタイトルを聞いただけでゾクゾクして期待が高まります。新旧の私の短編の中から、特に血のように深い赤色を存分に生かせる作品を選んでアニメ化していただけると聞いております。ユーミンこと松任谷由実さんは、世界における最高の作曲家のひとりだと私は思います。今回『クリムゾン』のオープニングテーマ(OP)をユーミンさんに担当していただけることになりました。これは普通ではありえないことで、本当に夢のようです」とコメント。
「最初ユーミンさんのスキャット風のデモを聴かせていただいて、それだけですぐに名曲と感じました。とても情感豊かで、一度聴いたら忘れられないメロディーです。最近はこのユーミンさんの新たな名曲が、私の頭の中でエンドレスに流れていて、幸せに浸っております。テレビアニメ伊藤潤二『クリムゾン』は、真紅のイメージを想起させるアニメシリーズとなるのは重要なポイントだと思います。さらに加えて、松任谷由実さんがOPを担当してくださることにより、『コレクション』や『マニアック』とはまた違った雰囲気の、特別なアニメ作品になることでしょう。ファンの皆さんも待ち遠しいと思いますが、ぜひ楽しみにしていてください!」と話している。
松任谷さんは「伊藤潤二作品には、それがどんなにシュールでグロテスクでも、その根底になぜか必ず繊細な“和”の美しさと哀(かな)しみが漂っています。むしろ、異形であればあるほど、そこに在るのに決して掴むことのできない何かへの憧憬が炙(あぶ)り出されるのかも知れません。私たち日本のファンも、多くのフランスのファンの方々も潜在的に気づいている共通の美意識。約200年かけて醸造された妖しい世界を一緒に旅することができるなんて、なんとすてきなことでしょう!」とコメント。
「このミュージックビデオは、伊藤潤二『クリムゾン』に先立つ小旅行。案内役は変幻に飛びまわる(烏揚羽)。伊藤潤二さんにお願いして黒い蝶の画(え)を描いていただきました。今回テーマ曲を依頼され、ラビリンスのようなコード進行にのせたメロディーと共に私が思い浮かべたのは、冥界と現世を繋ぎ、異次元を彷徨う(さまよう)メッセンジャーの形。偶然、フランス語でも黒い蝶はそんな意味を持つそうですね。私の描いたイメージは間違いではなかったと思えました。本編公開までしばらくのあいだ、ひとりでも多くの方にこの(烏揚羽)のミュージックビデオで『クリムゾン』への期待をふくらませていただけたら幸いです」とメッセージを送った。
提供元:MANTANWEB