この本を盗む者は:本屋大賞ノミネート作が劇場版アニメ化 2026年公開 音楽は大島ミチル 2人の少女が“本の世界”を冒険
配信日:2025/06/03 18:05

2021年に本屋大賞にノミネートされた深緑野分さんの人気小説「この本を盗む者は」(KADOKAWA)が劇場版アニメ化され、2026年に公開されることが分かった。本嫌いの少女と謎の犬耳少女が“本の世界”を駆け巡る謎解き冒険ファンタジーで、アニメは「ラディアン」「神クズ☆アイドル」などの福岡大生さんが監督を務める。
「彼方のアストラ」などの黒澤桂子さんがキャラクターデザイン・作画監督、「かぐや様は告らせたい」などの中西やすひろさんが脚本、NHK大河ドラマ、映画、アニメなど数々の音楽を手がけてきた大島ミチルさんが音楽を担当する。「暗殺教室」「地縛少年花子くん」を手がけた比嘉勇二プロデューサーが設立した制作スタジオ・かごかんが制作する。
同作は、書物の街・読長町が舞台。高校生の御倉深冬は、曾祖父が創立した巨大な書庫・御倉館を代々管理する一家の娘ではあったが、本が好きではなかった。ある日、御倉館の本が盗まれたことで、読長町は突然物語の世界に飲み込まれてしまう。本にかけられた呪い“ブックカース”を解く鍵は物語の中にあり、深冬は不思議な少女・真白と共に町を救うため本泥棒を捕まえる旅に出る……というストーリー。
深冬と真白が町の呪いを解く冒険に旅立つ様子が描かれた特報、ティザービジュアルが公開された。
◇原作者・深緑野分さんのコメント
この物語の主人公は、「何かを好きでしょうがない子」ではありません。好きでもないことを家族から押しつけられ、自由に生きられない苦しさを抱え、呪縛と重圧のなかにいる子です。小説から劇場版アニメになり、この厄介な主人公がより多くの方の目に触れるだろうことになりましたが、どうか彼女の悪戦苦闘と冒険を一緒に応援してもらえたらうれしいです。誰に言われなくてもなお、本当の気持ちを選び、大切にするのか、自分で決めて生きるのはとても勇気がいることですから。ともあれ、深く考えずに楽しめる作品にも仕上がっていますので、どうぞお気軽に楽しんでください!
◇福岡大生監督のコメント
このお話は本が大嫌いな女の子が本を取り戻すために異世界になった町を駆け回るお話です。本が嫌いだけど本を読まないと町を救えない……そんなジレンマを吹き飛ばしてしまうくらい次々と姿を変えていく町と人々。深緑先生の文章の描写を絵に起こすために久々に脳が焼けてしまうくらい悩み、できたその世界に深冬と真白を駆け巡らせました。みなさんもぜひ、本泥棒を追いかける2人を見守っていただけたらと思います。
◇脚本担当の中西やすひろさんのコメント
幼い頃、まだ見ぬ作品との出会いを期待して図書館や本屋に入って、夢中になれる物語を探しました。文字から広がる世界へ飛び込み、物語の波を超え結末を見届ける喜びをたくさんの作品からもらいました。映画館を出る時、本に触れたい、物語に浸りたいと思ってくれる作品になることを願ってます。
◇キャラクターデザイン・作画監督の黒澤桂子さんのコメント
はじめまして! お久しぶりの方はこんにちは! キャラクターデザインの黒澤桂子です。今作は挿絵の無い小説が原作です。表紙や本文の描写を参考にしつつ楽しみながらデザインさせていただきました。しかしデザインはあくまでも設計図。本編で深冬ちゃんたちがどんな表情や動きをするかは1カットずつ目を通し全力で考えて頑張って描いております! そんな絵や色、音、全てが重なって繰り広げられる物語はきっと皆さんをワクワクさせてくれるはずです。私もすでに楽しみです!
◇音楽担当の大島ミチルさんのコメント
「この本を盗む者は」は、いくつものファンタジーが交差する、想像力に満ちた壮大な物語です。映画化によって、その不思議で美しい世界が、鮮やかにスクリーンに広がります。音楽もまた、その幻想的な世界を彩る大切な要素です。カラフルで多彩なメロディーが登場人物たちの冒険や感情に寄り添い、まるで宝石箱を開くような驚きとときめきをもたらせてくれるような音楽に仕上げたいと考えています。1ページ、また1ページと物語がめくれていくたびに始まる新たな冒険……その息づかいを、映像と音楽が織りなす幻想の旅として、ぜひ劇場で体験してくださいね。
◇比嘉勇二プロデューサーのコメント
「かごかん」初の長編アニメーション作品「この本を盗む者は」を発表しました。原作を読んだ際に思い描いた読長町の風景や深冬たちの冒険が、映像として形になっていくことを楽しんで制作しています。本作は「冒険」「ミステリー」「呪い」「ハードボイルド」などの楽しい要素を詰め込んだエンターテインメント作品になっています、皆さんも劇場にて深冬たちとともに物語の世界を旅してほしいです。
提供元:MANTANWEB