ソムタム田井のコスプレリポート:「仮面アメリカ」レイヤー キックボクシングで鍛えた抜群のスタイル 星型に切り抜いた胸元のデザインにこだわり
配信日:2025/05/25 19:55

コスプレは自宅で気軽に楽しめる趣味であり、アニメやゲーム、マンガなどの人気のバロメーターとしても注目を集めている。コスプレ文化の研究家でライター兼カメラマンのソムタム田井が、イベントに取材、参加して見つけたハイレベルなコスプレーヤーをピックアップ。衣装、ウイッグ、メーク、体づくりなど、キャラクターになりきる上でのこだわりについて聞く。
本稿では、世界最大級のフィギュア、造形物の祭典であり、プロ、アマチュアを問わず、誰でも制作したキットを持ち寄って展示、販売できるイベント「ワンダーフェスティバル2025[冬](ワンフェス)」で撮影、インタビューした、アメコミ作品「仮面アメリカ」の主人公、仮面アメリカに扮(ふん)する川崎優さんを紹介する。
「ワンフェス」といえば、旬のアニメやスマートフォンゲームだけでなく、往年の名作や、海外で人気のコンテンツなど、さまざまなジャンルのキャラに扮したコスプレーヤーが一堂に会する“ごった煮”感も、ファンにとっては面白みを感じるポイントの一つ。
「仮面アメリカ」はインディーズコミックでありながら爆発的な人気を誇るアメコミ作品で、川崎さんも本作にハマり、趣味でコスプレに挑戦。その写真をSNSに投稿したところ、原作者から連絡が来て、公式公認レイヤーとして活動することになったという。
「今回は一人でのコスプレ参加でしたが、普段は5人で『仮面アメリカ』の公式公認コスプレイヤーとして活動しています。作品に感銘を受けて、3週間かけて型紙から衣装を作り、SNSに写真をアップしたところ、原作者の方に認めていただけて。2025年の『仮面アメリカ公式カレンダー』のモデルにも起用していただいたりと、いろいろ活動していますので、よかったらチェックしてみてください」
川崎さんは元々、衣装制作に携わる仕事をしていて、コスプレをする際は毎回、衣装も自作で用意するという。こちらの衣装では、胸元の造形にこだわったと話す。
「実は格闘技衣装屋でデザインや縫製作業を行っているので、そこで得た知識や技術はコスプレ衣装制作にも生かせています。こちらの衣装に関しては、胸元の星の切り抜きがこだわりポイントで、胸の形を綺麗に見せつつ、余計な部分は見せないようにするのがたいへんでした」
自身の衣装だけでなく、一緒に活動するメンバーの衣装もほぼ川崎さんが手がけているそうで、全員が集合した際の写真は原作者にも好評だった模様。
「5キャラのうち、4キャラ分の衣装制作は私が担当しています。作中での登場順に合わせて衣装を制作し、一人ずつSNSで紹介。最後にコミケで5人集結……という流れで全員の衣装を公開したところ、作品に関わられている大勢の方が盛り上がってくださって。ちなみに、こちらのマスクは原作者の先生からいただいた、ものすごく貴重なアイテムになります」
「仮面アメリカ」の魅力を伝えるために、日ごろから体づくりやポージングの練習にも励んでいる川崎さん。だが、撮影時には気合が入りすぎて、注意されることもあるという。
「衣装制作の他に、キックボクシングとピラティスのインストラクターもしていて。練習生としても日々、トレーニングで鍛えているので、キックポーズなどはバシッとキメられます。ワンフェスでは“背中を撮らせてください”との注文があったので、いつものノリで背筋を際立たせるムキムキポーズをとったところ、“ちょっとたくましすぎるので、もう少し抑えてください”と言われてしまいました(笑)」
取材・文:ソムタム田井
提供元:MANTANWEB