ソムタム田井のコスプレリポート:「ドラクエ3」勇者&賢者コスプレ 剣や盾の“使い込んだ感”にこだわり
配信日:2025/05/03 20:05

コスプレは自宅で気軽に楽しめる趣味であり、アニメやゲーム、マンガなどの人気のバロメーターとしても注目を集めている。コスプレ文化の研究家でライター兼カメラマンのソムタム田井が、イベントに取材、参加して見つけたハイレベルなコスプレーヤーをピックアップ。衣装、ウイッグ、メーク、体づくりなど、キャラクターになりきる上でのこだわりについて聞く。
本稿で紹介するのは、2024年12月29、30日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催され、約30万人が来場した「コミックマーケット105」に参加していた、「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」のキャラクターに扮(ふん)する菊紫あもさん、ももちよさん、ミンミコさん。
元々、コスプレ界隈でも人気の高い「ドラゴンクエスト」シリーズだが、2024年11月に「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」のHD-2D版が発売されたことで再び注目され、同作のキャラクターに扮したレイヤーが大勢、イベント会場に集結。
「コミケ105」以降に開催されたコスプレイベントでもその人気は衰えず、各会場では勇者や武闘家、僧侶、遊び人など、作中に登場する全職業のキャラに扮して集まり、“併せ”を楽しむグループの姿も見られた。
勇者のコスプレで参加していた菊紫あもさんは、特徴的な髪型の再現にこだわったと話す。
「勇者特有のツンツンヘアは、ロングウイッグにワッフルアイロンでふかしを入れ、どの角度から見ても違和感がないように細心の注意を払いながらセットしました。なかなか納得がいかず、『コミケ』当日の朝まで微調整を加えて、何とか完成したのがこちらになります」
装飾品にもこだわりがあるそうで、そのなかでも剣と盾は1カ月かけて制作した力作だという。
「イラストやゲーム画面と照らし合わせながらデザインを確認し、型紙から作り上げるという作業は試行錯誤の連続でした。特にこだわったのは、剣や盾の“使い込んだ感”の表現です。アリアハンの勇者として、ゾーマを倒すまで戦い抜いた装備を再現するため、盾には傷をつけたり塗料を塗ったりして。そうして使い込まれた雰囲気を出してみました。また、盾の中心にあるドラゴンの装飾は、石膏粘土を用いて再現したものになります」
賢者のコスプレで参加したももちよさんは、シルエットをきれいに見せるために、衣装や装飾のサイズ感にこだわった。
「幼い頃から大好きだった『ドラゴンクエスト』のコスプレで取り上げていただけて、たいへん光栄です。強さだけでなく可愛らしさも兼ね備えた女賢者ちゃんになれるように、愛をたくさん詰め込みました。こだわったのはサークレットの大きさやスカート丈などで、シンプルな衣装だからこそ全体的にバランスよく、シルエットがきれいに見えるように、細かく手を加えました」
同じく賢者のコスプレを披露したミンミコさんは、最新のHD-2D版ではなく、あえてスーパーファミコン版のキャラクターデザインを元に衣装を制作している。
「HD-2D版『ドラゴンクエストIII』では、賢者のサークレットは真ん中に青い宝玉がはめ込まれていますが、旧作では赤い宝玉だったんです。衣装を制作するにあたり、どっちの色にするか3日ほど悩んで、今回は思い入れのある赤にしました。お写真を拝見して、やはり赤にしてよかったなと感じています。ちなみに、HD-2D版ではキャラクターの髪色を変更できるので、サークレットを青にして、遊び人から転職した金髪賢者のコスプレとかもやってみたいです。ハッスルダンスを踊れちゃう賢者ちゃんって魅力的じゃないですか?」
取材・文:ソムタム田井
提供元:MANTANWEB