自転車は漫画を深くする…おすすめ作品&名シーン集
更新日:2016/05/20 10:00
街を歩けば、颯爽とロードバイクで駆け抜ける人をよく見かけますよね。数年前から続く自転車ブームは、まだまだ継続中! 某大手スポーツバイク専門店の店長の話では、漫画を読んでロードバイクを買いにくる人も最近増えているとのこと。
かく言う私も、漫画から入ってロードバイクにハマってしまった人の一人です。自転車マンガを代表する『弱虫ペダル』(渡辺航/秋田書店)以外にも、自転車の魅力が詰まった名作はたくさん。
自転車に乗るのも、自転車漫画を読むのも大好きな私が、おすすめの自転車漫画と名シーンを紹介します。
自転車ブームを知るためのキーワード
ひとくちに「自転車」と言っても、通勤通学などの移動手段、のんびりサイクリング、ロードレース、山に登るなど、自転車との付き合い方はいろいろ。 自転車漫画をより楽しむために、どんなものがあるのかチェックしてみましょう。
- ポタリング
- のんびりと目的地を定めずにサイクリングすること。散歩の自転車版のようなイメージ。
- ツーリング
- 目的地を決め、ポタリングより長い距離を走る自転車旅行のこと。100km以上走ることをロングライドと言う。
- 輪行
- 自転車を専用の輪行袋に入れて、電車などの公共交通機関に乗って移動すること。これができると行ける場所がぐんと広がる。
- ロードレース
- 舗装された道を走り、タイムや順位を競うスポーツのこと。個人戦とチーム戦があり、距離もさまざま。
- ヒルクライム
- 自転車で山や丘に設定されたコースを登ること。国内でもたくさんのレースが行われている。
ロードレースにかける男に熱くなる!
キーワードを抑えたところで、さっそく自転車漫画を見ていきましょう。
まずは王道、男たちの熱い戦いを描いたロードレース漫画です。
■「シャカリキ!」 (曽田正人/小学館)
まず紹介するのは長く愛される自転車マンガ「シャカリキ!」 (曽田正人/小学館) 。
買ってもらったばかりの自転車を持って坂の多い街に引っ越してきた小学2年生の野々村輝。この街では自転車に乗る人がほとんどいない……。でも、輝は坂に挑み続け、やがて自転車の日本一のクライマーへと成長していきます。
来る日も来る日も、ただ全力で坂を登る「坂バカ」ともいえる輝の熱すぎる想いと、ライバル由多比呂彦との絆に感動!
走っているときの心理描写や表情が細かく、読んでいて自分も坂を登っているようで手に汗にぎる作品です。
■「かもめチャンス」 (玉井雪雄/小学館)
仕事と子育てに奔走するシングルファーザーの更科二郎が、アクシデントをきっかけにロードバイクに乗り、ヒルクライムの才能を開花させていく「かもめチャンス」 (玉井雪雄/小学館) 。
この作品の魅力は、リアルさ。子どものお弁当を気にしながら練習したり、営業用の自転車にビンディングペダル(靴とペダルを固定して効率よくこげるようにしたもの)をつけたりと、日常とロードバイクとの折り合いをどうつけていくのか、主人公が試行錯誤します。
本格的にロードバイクをやる人なら「わかる!」と共感してしまうことでしょう。ロードバイクに乗ったときの「ライダーズハイ」ともいえるような快感の描写も素晴らしいです。
女子だってかわいくかっこよく!
自転車を楽しむ女の子は、それだけでかわいく見えてしまいます。颯爽と走る姿も絵になりますね。
■「のりりん」 (鬼頭莫宏/講談社)
ロードバイクはアスリートだけの特別な乗り物ではなく、普通の人が普通に乗れて、そしてちょっと日常を変えることができるもの…そう感じられるやさしい自転車漫画が、「のりりん」 (鬼頭莫宏/講談社) です。
「チャリ乗ってるヤツは死ねばいいんだ」というほど自転車嫌いのサラリーマン丸子一典が、ある日、女子高生ロードレーサー織田輪を車で轢きそうになり、輪の母の策略(?)により嫌々自転車に乗り始める。そして楽しさに気づいていくというストーリー。
自転車に乗るのが楽しくてしかたないという、博多弁の輪がとってもかわいい!
■「南鎌倉高校女子自転車部」 (松本規之/マッグガーデン)
かわいい女の子がたくさん登場する自転車マンガが読みたいなら「南鎌倉高校女子自転車部」 (松本規之/マッグガーデン) がおすすめ。
舞台は鎌倉。坂ばかりの長崎から引っ越してきたため、自転車の乗り方をすっかり忘れてしまっていた舞春ひろみ。
入学式の日に秋月巴に自転車の乗り方を教えてもらったことをきっかけに、自転車の楽しさに目覚め、「南鎌倉高校女子自転車部」を設立。はじめは鎌倉のポタリング、そして三浦半島…と、自転車を通じて、女子高生の世界がどんどん広がっていきます。
キャラクターも個性的で、メンバーたちのやりとりを見ているだけでも楽しい!
作者の自転車愛を感じられる作品
自転車漫画を描く作者は、やはり自転車好きで自身も乗っている人が多いよう。作者の自転車愛を感じるのも楽しみの一つです。
■「並木橋通りアオバ自転車店」 (宮尾岳/少年画報社)
初めて自転車に乗れた日のこと、毎日の自転車通学で通った景色…あなたにも自転車にまつわる思い出がきっとあるはず。
アオバ自転車店を訪れるさまざまな人の人生を、自転車を通して覗いていくことができる短編集「並木橋通りアオバ自転車店」 (宮尾岳/少年画報社) 。
思わずホロリとしてしまうストーリーも多く、「自転車って単なる乗り物じゃないんだなぁ」としみじみと感じられます。
ロードバイク、ママチャリ、折りたたみ自転車などなど、自転車すべてに対する作者の愛が詰まった作品です!
印象に残る自転車の名シーン
自転車漫画以外の作品でも、自転車が印象的に描かれている作品があります。自転車は日常の一部だからこそ、人生のワンシーンになり得るのです!
■「たそがれたかこ」 (入江喜和/講談社)
45歳バツイチ、母と二人暮らしの片岡たかこの日常を描いた「たそがれたかこ」 (入江喜和/講談社) 。
たかこの毎日は、自転車でパート先を往復し、夜は布団の中で涙を流し、外で一人酒を飲むことの繰り返し。ある日、ミュージシャン谷在家洸一の歌を聞いて心をわしづかみにされ、少しずつ変わっていきます。
美容室で髪を明るく染めたたかこが自転車で帰ってくるときの自転車シーンは、いつもと同じ道なのにまったく違って見えてとても印象的でした。
■「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」 (オオイシヒロト・ママチャリ/小学館)
人気ブログ小説の漫画版である「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」 (オオイシヒロト・ママチャリ/小学館) 。いたずらを生き甲斐にする“ママチャリ”を筆頭とする悪ガキ軍団と、それを取り締まる駐在さんとの長い戦いを描いた作品です。
仲間の一人である西条が原付バイクのスピード違反で捕まったことの報復に、「自転車で法定速度を越えたら捕まるのか」を試してみることに。
「俺たちは風なんだぜ」と言って全速力でかけぬける姿に、青春っていいなぁとキュンときてしまいます。
熱いスポーツ漫画からのんびり日常系の漫画まで、自転車漫画にもいろいろありますね。
自転車は単なる乗り物ではなく、乗る人次第で人生のパートナーのような存在にもなってくれるもの。 自転車漫画を読んでから自転車に乗れば、今までとちょっと違った爽快感を味わえるかもしれませんよ!
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作者
冥道聡子
編集プロダクション、占い系出版社勤務を経てフリーランスの編集ライターに。リブラ編集室のメンバーとして活動中。占いのほか、女性向けや子供向けの書籍・雑誌の制作に携わっています。不思議な話や怖い話が好きで、日々ネタを収集中。趣味でロードバイクに乗り始め、自転車系の記事も書いています。記事タグ
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