【ネタバレあり】[小説]蕩けるほどに囚われまして─甘い鎖と恋の罠─のレビューと感想

先輩、彼女が大好き過ぎて拗らせが凄い。好きになって欲しくて回りくどくアピールしても全く彼女には響いていかない。失う事が怖くて愛する事に臆病になっている事に気づいていて、粗治療とも言えるまさかの行動に驚いた。彼女も先輩ならきっと自分を見捨てたり離れていくことはないと分かっていても踏み切れずにいた自覚はあった。やっと彼の側にいたいと思えるようになって彼の作戦勝ちだけど、溺愛し過ぎて困るところもまた可愛いのだと思う。

両親を事故で亡くし遺してくれたお金を使うことへの罪悪感を持ちながら両親の願いだった大学に進み卒業後はブラック企業に就職した不幸感満載のヒロインと、大企業の御曹司で自ら立ち上げた会社の社長で容姿端麗好青年の先輩ヒーロー。

彼に対して随所に恋心をあらわにし、相手からも閉じ込めてまで手に入れたいと欲しがられているにも関わらず、何故彼をそんなに拒むのかはじめはわかりませんでしたが、そんな彼女の闇ごと受け入れようとしていたヒーローには心打たれました。

ただあそこまで頑なだった彼女の心を開かせるには終盤あまりにもさらっと流れてしまった感があって少し勿体ないかなと思いました。