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薫りの継承

あらすじ

比良木忍は兄といっても、血の繋がりはない。義理の兄だ。竹蔵は後妻の連れ子として、比良木家に迎えられた。兄はいつも冷たく汚物のように、竹蔵を見下す。深い嫌悪と憎悪に満ちた射殺すような視線。毎日毎時毎秒、兄に殺され続けていた。竹蔵は兄に欲情していた。ある晩、竹蔵は正体を偽って兄の寝室に忍んだ。義姉の香水を身につけ、兄の目を覆い隠す。そして、己の欲望の猛るままに兄の体を貫いた……。義理の兄弟、禁断の愛と確執を描いた衝撃作。

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みんなのレビュー

  1. 評価:3.000 3.0

    完全にネタバレの感想です。

    ネタバレ レビューを表示する

    死にネタと近親もの苦手な方はご注意です。

    登場人物、みんな歪んだ感情を抱えています。
    義理(本当は実の兄弟)の兄と弟の歪な関係が、周りをも巻き込んで壊れていく、暗いお話しです。

    弟→兄の一方的ともいえる愛情が、実はもっと以前から兄も弟を想っていたのだという過去に、そうこなくっちゃ!!と興奮しながらも、いったいこの兄のどこに弟は惹かれたのか、一目惚れだったのか、血の繋がり的なものだったのか、単なる色香か?などちょっと分かりませんでしたが、雰囲気が素敵なので良し!です。

    死にネタ苦手なので、ラストは結構ダメージ大きかったです。
    最後あそこで死んでしまうとわ...

    完全にハッピーエンドというのも作品のカラー的に無理だから仕方ないかなとも思いますが、しがらみから解放されたお兄さんの笑顔が素敵で、二人の幸せな未来をついつい願ってしまいました。

    互いを選んだなら、振り切って二人だけ幸せになるのも歪んだ物語らしくていいと思うんですが、お兄さん呆気なさすぎて、あんまり。
    竹蔵かわいそう。

    タイトル通り息子にも受け継がれているようですが、幼少の頃からあれ程までに性格に問題があるのは何故なのか。
    異常性も血筋?
    お兄さんに似た眼帯の人は、ただのモブだったのか。
    なぜ母親と父親は別居していたのか。
    など、気になるところはありますが、一気に読んでしまうほど面白かったです。

    • 14
  2. 評価:5.000 5.0

    愛狂しい作品です。

    「同期生」というシリーズ作品読んでから
    作者を辿ってこの作品を購入しました。
    全く系統が違いました。
    でも、こういうのも好きです。

    1話目のプロローグからは想像がつかないほど
    2話目はインパクトがありました。

    でも、ここから歯車が狂いはじめた。
    と、初めは思っていたんだけど、
    本当は二人が出会ったあの日には運命が決まっていたのかな。

    相手が誰か知りながらも続く目隠ししたままの兄弟での交わり。
    激しい描写ですが、
    求めあい埋めあう姿が、
    何故だか美しいです。

    行為の始めから終わりまで
    言葉をかわしません。
    だからかな?
    不思議と愛を感じるんです。

    兄嫁からもたらされるある一つの真実が
    二人の関係を更に狂おしいものに変えていきます。


    いつも冷たい顔の兄さんが一度だけ笑うんだけど
    私にはその笑顔が幼く見えて、
    切なくて、
    笑顔なはずなのに泣けてしまいました。

    by 高任
    • 12
  3. 評価:5.000 5.0

    鳥肌立ちっぱなしでした。

    ネタバレ レビューを表示する

    エロくて怖くて不安で残酷で純愛で堪んないです。
    特に8話!プロローグで一気に引き込まれてさてこの後どうなる!?てところで、あああああーこうきたか!!
    倒錯した濃密エロが大好物な私には堪んない作品でした。
    子供とか近親とかタブーな話が出てくるのでダメな人は気を付けて下さい。
    逆にまだここまで踏み込んだ話を描けるんだなと。あと数年したらBLも規制が厳しくなってこうした自由な作品は読めなくなるのではと思うと今出会っておいて良かったと心から思います。

    以下ネタバレします。まだラストまで作品読んでない人はこの先読まない事をオススメします。





    ずっと顔出しのなかった脇キャラマリコがたった一度だけ描かれた表情の悲しさと怖さといったら!鳥肌鳥肌鳥肌!
    そして甘くて哀しい結末に向かって急転直下、衝撃のラストでした。
    ぎゅうぎゅう胸を鷲掴みされた衝撃。
    闇と危うさを含んだ関係でも二人には何とか幸せなカタチに納まってくれる事を願っていました。竹蔵、どうか頑張って生きていって。

    by 匿名希望
    • 10
  4. 評価:5.000 5.0

    心が痛い…。けど、凄い。

    ネタバレ レビューを表示する

    兄と弟、禁断の愛だけども、どうにか幸せになってほしかった。二人とも幸せになるのはこれからだったのに…

    正直、BL漫画で此処まで感情移入したことはなかったかも知れない。この作家さんはなんて人なんだろう…何年か前、同級生シリーズを読んだ時にも感じたが物凄い吸引力で物語に引き込まれるのだ。
    本当に、一気に読んでしまった。読まされてしまった。

    マリコの顔が出た瞬間、心臓が跳ね上がった。軽くトラウマになりそうなレベルだ。
    この人が描く作品はもう、BLっていう概念を越えているように感じてしまったぐらいだ。

    バッドエンドなだけに後味は決して良くない。しかしこの吸引力に感服致しましたのでこの評価とさせて頂きました。

    • 9
  5. 評価:5.000 5.0

    静かで深く切なく官能的

    ネタバレ レビューを表示する

    漫画というよりドラマ見てるみたいなお話でした。
    圧巻の世界観。
    静かな中に内から込み上げてくるような深く激しい愛情が描かれていて最高です。
    兄は初めて弟に会ったとききっとそうなることを感覚的に予感した。
    そして弟との愛に溺れた。禁忌だと分かっていても自分も弟を本当に愛してしまったから止められなかったんだね。
    後半、目隠ししなくなってからの兄の表情はヤバかったです。萌えまくりました。
    エロシーンは本当に官能的です。
    ただ、死なないでほしかった。もしも自ら選んだ死なら哀しすぎるよ。どっちなのだろう。
    冷淡で静かな性質だけど昔から優しい人だった。
    最後の兄の笑った顔や静かに燃え上がる二人のシーンを思い出すと切なくなります。
    官能的なのに切なくて本当に刺さる漫画でした。
    作者さまの表現したかった想いが伝わってくるようでした。

    • 2

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