【ネタバレあり】凸凹カレシ～遊び人×偏屈リーマン～のレビューと感想

宝石を見つけたような

最初読んだ時、難解なストーリーに感じて何度も読み込むうちに自分にとってとてもいとおしい作品になっていました。

認識のズレと誤解が生じたまま始まった“友人契約”、小椿が先走りいきなり一線を越えてしまいますが…戸張は冷静かつ天然ゆえか来る者拒まずで関係は継続されます。

共に過ごすうちに当然小椿は相手との未来を見据えるようになる訳ですが、戸張は逆に自分自身の終わりを見据えていた…

言葉足らずというか肝心な真意を伝えない為にまたも行き違いが。何ともじれったい。

しかし戸張が小椿を選んだ理由が何ともこの人らしい不器用な優しさ。しかし人はやはり人を好きになるもので。

境遇は違えど孤独な二人が手探りのように距離を縮めていく様が何と言っていいか、とにかくいとおしいとしか表現のしようが無いのです。

こんなに繊細な作品も描ける方なんだと今さら思うような気もしますが、九州男児さんのこれまでの作品を思えば当然かとも思ったり。

ゆるいユーモアも相変わらずですが、ストーリーだけでなく作画の美しさ。別格です。

私には宝石みたいな大切な作品ですね。二人にこれからの先があって本当に良かった。