5.0
容赦ない現実
ある作品を読んで特殊清掃の仕事に興味がわき、最終的にはそういった仕事に就けたらと考えていました。
今作品でかなりリアルな視点から特殊清掃の仕事というものを見てさすがにたじろぐ思いです、人は死んだらこうなるということ、突然に死は訪れるということ、遺品から垣間見える故人の人生、決して他人には見せられない、見られたくなかったであろう秘めた部分までも、全て他人に清掃、処分して貰わねばならないという…一人で突如として逝かなければならないというだけでも悲惨なのに、人生の終わりはかくも酷なものかと。
こうも次から次へと目にする容赦ない現実の数々に果たして自分なら正気を保てるのだろうかと考えてしまいました。
事実に基づくエピソードの凄まじいこと、人間の体ってそうなるんだ…と初めて知る内容があまりにエグい。沖田さんのかわいらしい作画でかなりマイルドなタッチになっているとはいえ、大抵の人間には耐え難いでしょう。
しかしそんなトラウマものの現実と向き合い粛々と不浄を拭い続ける人達がいるというのもまた現実であり。
誰かがやらねばならない仕事、というものは世の中に必ずあり、その人達のお陰で空間は日常を取り戻す。
打ちのめされたと同時に特殊清掃員の方々には頭が下がるばかりです。素晴らしい作品をありがとうございます。
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不浄を拭うひと