【ネタバレあり】[小説]シャルパンティエの雑貨屋さんのレビューと感想

小さなドラマがいっぱい

異世界のお話で、それこそ魔法と剣のファンタジー世界の筈なのに、主人公のジネットが地に足のついた性格・考え方なので、しっかりと感情移入しながら読めました。
主人公自らダンジョン攻略！とか、戦いの最前線で大活躍！といった華々しいエピソードはないものの(主人公以外にはありますが)、日常の中で起きる大小様々な事件を通して、何も無かったようなところから少しずつ人・物・村や街が拡がっていくのがとても面白かったです。
出てくる人達はジネットとユリウスの人徳なのか、皆いい人ばかり。異世界に行くならここで暮らしたいなぁ、と思えるような素敵なお話でした✨

安心して読み進められる冒険者物語です。
登場人物もそれぞれ魅力的。
作中の「おお、ジネット～」と吟遊詩人に吟われるシャルパンティエの物語を聴いてみたくなる。
ジネットは嘆いてるけど、「頼れる領主マリウスの不在時にトラブルが起こる」からこそ、物語になる。だって、マリウスの強さはチート過ぎるもの。
続編が出ないかな。