5.0
傑作です
主要キャラの想いは切なく、現実は重く、ほろ苦い恋のお話です
他の方も口を揃えて伝えている通り、甘えられない蓮の性格の根っこにあるものが、あまりにも根深く苦しく、蓮のかわりに私が泣きました。
加賀谷が刑務所に迎えに行く場面で、それでもひたむきに蓮に告白する加賀谷の言葉に胸を熱くし、誰ともなくごめんなさいと胸の中で呟く蓮と一緒に泣きました。
バイト先の夫婦には蓮のかわりに怒りも覚えますが、これが前科持ちの本当の贖罪なのだとも思いました。
そのぶんラストもほろ苦いものになりましたが、私は未来ある優しいラストだと思います。
来年も再来年も、死が二人を分かつまで。
帰る家を手に入れた蓮が信じられる未来があるのだと、少なくとも私はしんじられたので。
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