5.0
人情物の最高傑作
デリへルのドライバーのユキと呼ばれる青年とそれを取り巻く人たちの物語。
タイトルからエロを期待して読むと肩透かしを喰らうが、最後まで読むと心に染み入るものがある。
ユキは純朴で誠実な、本来なら風俗という業界にはいないと思われる青年。
彼が違法を行う人たちや、業務の中で起こる困難に立ち向かっていくのだが、漫画的な誇張は極力抑えて描かれているので、リアリティが感じられよけいに心に染み渡ってくるものがある。
ユキを雇っている店長は法を遵守し良心的に店を経営している。
共同創業者でもあるデリへル嬢のナツミも円満な大人だ。
現実の風俗業界もこういう人たちばかりであれば、事情を抱えて働いている女の子たちも心理的な負担は少ないだろうと思わせられる作品だった。
- 7