櫻狩り
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あらすじ
其れは、大正九年。僕が、数えで十七の春だった。僕を殺して呉れないか時は大正九年。一高入学を目指して志高く上京した田神正崇(たがみまさたか)が奇しくも出逢ったのは、謎めいた美青年、俟爵家の御曹司・斎木蒼磨(さいきそうま)だった。その時から、正崇の運命が狂おしく迸りはじめる――!! 愛憎入り乱れる、美しくも悲痛な大正浪漫幻想譚!!
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みんなのレビュー
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切なく、悲しく、胸がキュッとなる
最初は話の分野的にあまり興味がなかったのですが、渡瀬悠宇さんの作品が大好きなので、読んでみることにしました。が、読み始めていくと、蒼麿が正崇に引き込まれていくように、私も話にどんどん引きこまれていき、気がつくと最後まで一気に読んでいました。
BLと言っている方もいますが、そういう分野でくくって欲しくないような、また別の次元の話のような気がします。
途中とても過激でしたが、渡瀬さんがここまで描写をする作品は初めてで、新鮮でした。このお方は、作品ごとに全く色を変えていて、本当に同一人物の作品?!と、思うくらい。読み手を飽きさせないところが素晴らしい。
最後は、なぜ佐藤がそんなことをしたのか?蒼麿はどうなったのか?正崇は…?!と考えることが止まない終わり方をしたので、その後数日、眠れませんでした。(笑) 後の解釈は読み手次第、という感じです。本当に悲しく、辛く、涙が溢れました。でも決して後味が悪いわけでもなく、最後の正崇の表示と桜が、心にある種の安心感を残してくれました。
渡瀬さんが以前ブログか何かで、絵が描きたいんじゃなくて、伝えたいことがあるから描く、というようなことをおっしゃっていました。まさに、伝えたいことー愛とは何か、を描いた、素晴らしい文学作品だと思います。by katay- 14
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5.0
2回は読んでほしい文学作品
全体を貫く重さ、痛み、BL的な生々しさに紛れて狂気としか感じられなかったことが、謎が解けた後にもう一度読むことで、別の、優しく美しいがゆえの物語がずっしりと届いてきます。
人としてのサガ、身勝手な大人に翻弄され、踏みにじられる、少年たちの純粋さと美しさ。
なんのために生きているのか、生きたいから、ただ、それだけでいい。散っても、春にまた美しい花を咲かせる桜のように。
ただ、そう思えるのに、人間は、もう1人の人間の存在と愛が必要なのだ。
人ゆえに、歪み、狂い、
人ゆえに赦され、生きていける。
いろんなことを考えされられる作品です。by 招福猫- 9
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5.0
読むべし
こんなに話しの濃いBLに出会ったのは初めてです。一気に読んでしまいました。(もはや分類がBLなのかも分かりませんw)ただヤリまくるBLではなく中身のある程よいエロです。ただし暗めです。
徐々に明かされる真実。登場人物全てに隠された過去がありそれがラストに向けて加速しながらつながって行きます。
絵に関しても登場人物が魅力的で妖艶に描かれてます。絡みのシーンもとてもキレイです。
読んで損はありません。この作家さんの他のシリーズも読みたくなるぐらいです。
あなたも是非カタルシスを味わって下さい!by カレンダー- 7
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4.0
考えさせられる作品
暗いです。悲しいし、こんなことあってほしくない。読後の爽快感など皆無です。
この作家さんの作品はコメディなど楽しい内容であっても、何かメッセージというか伝えたいものを感じます。
時代背景も違うし書生とかそんな立場でもないし、自分には関係ない話みたいに見えますが、例えば児童虐待などは現代の社会問題でもあります。娯楽としてサラサラ読みたいときには不向きですが、一度読んでみて、何か考えるきっかけをくれる、そんな作品です。by 匿名希望- 7
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5.0
まいりました
ふしぎ遊戯で渡瀬先生と出会い、でも実際には色々変な噂があるのでどうなんだろう、ファンになっていいんだろうか、玄武開伝好きなんだけれども、、、、と複雑に思っていた所であったこの作品。
普段BL読みませんし、読むのが辛い描写も多々ありましたが。
渡瀬先生の圧倒的な力を見せつけられた気がします。ただただ平伏すばかりです。兎に角凄い作家さんです。人間の悲しみ、憎しみ、絶望、愛されたいと求めてしまう本能、醜さ、弱さ、愛おしさ、強さ。全てを語り尽くしています。
ついて行きます。by 匿名希望- 5
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