宵明けの月籠 9巻
あらすじ
── 夜歴1289年、歴史は「血」に刻まれたかつて世界を揺るがした「聖血戦争」あらゆる闇の力を鎮め、あるいは増幅させる伝説の「聖血」を宿した一人の少女が現れた。 月の夜、運命は再び共鳴する。それは、悲劇の再来か、それとも救済のはじまりか。孤独な令嬢と、心を閉ざしたヴァンパイアが織りなす、切なくも幻想的な現代ファンタジー。藍璃(アイリ)が姿を消して二ヶ月。高級ホテルのスイートルームから冷酷に街を見下ろす吸血鬼の異端児・ドムスは、自らの渇きを癒す「聖血」の絞り込みを着実に進めていた。その手には、検体として選ばれた藍璃のデータが握られていた。一方リアムは、藍璃の無防備で純粋な輝きに触れた瞬間、かつて守れなかった少女・ソフィアの凄惨な血の記憶がフラッシュバックする。愛する者を失う恐怖の呪いに苛まれ、胸を突く痛みに顔を覆うリアム。暗い部屋のなか、彼は消え入るような声で、藍璃の名前を呟くのだった。
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