【ネタバレあり】[小説]堅物騎士と最愛の王女 ～忠誠心が邪魔をして愛を囁けません～のレビューと感想

焦れ焦れなふたり

口下手な侯爵令息のクライドの初恋の相手は、主君の娘、すなわち王女様。どんなに恋焦がれても、想いが通じることはありません、だって身分が違うから。クライドはその秘めた想いを騎士としての責務を全うすることに捧げます。…はい、もうこの時点でヒーローフラグ立ってますね。そして麗しきフィリーネ姫も実は物心つく前からクライドに想いを寄せています。そりゃーそうでしょうよ、こんなに一途に愚直に自分を見つめてくれるイケメンに惚れない乙女はおりませぬ。そしてそこに若干シスコン気味のフィリーネ姫のお兄様が何やら企んでいるようで、二人の関係は思わぬ方向に。
という、ほっこり焦れ焦れラブストーリーなので、途中ハラハラしながらも安心して読めるお話です。ラストで一瞬、もしかしたらとも思わされますが、大団円でめでたし、めでたし。初々しい二人の前途を素直に祝福してあげたくなるような優しい読後感でした。

欲を言えば、挿絵が欲しかったかな。表紙がとても綺麗なので、それだけがもったいなかったです。