【ネタバレあり】新九郎、奔る!のレビューと感想

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新九郎、奔る!
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241話まで配信中(49~50pt / 話)

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  1. 評価:5.000 5.0

    淡々としているところが新しい

    無料分まで読了。盤石と思われた伊勢一族の権勢が、たったひとつの誤算で揺らぎ始めるオープニングのところまで。
    少年漫画、そして戦国時代モノにつきものの熱が感じられない漫画は初めて読んだ。天下を取りたいとか無双になりたいとか親兄弟殺されたとか一族滅ぼされた復讐とか平和な世の中にしたいとかのド派手な動機が今後も出てこないような予感がする。男性の闘争本能というよりは、「この時代を文字通り生き延びるために敵対勢力と渡り合うのがごく当然のことだった」「努力した結果、戦国武将として名前が残った」という感じで、そこに歴史漫画の大上段に構えた大袈裟な美学や正義のようなものがないところがとても良いと思う。そしてそのおかげで、まんがとしてすごく地味。ケレン味がない。しかし、そもそも殺傷能力のある巨大な刃物を腰に差して男たちが普通に町を歩いている時代、というのはもうそれだけで現代から見たら物騒で過激な時代なんだけどね。
    今のところ、主人公は武力も智謀知略も人間性も特に飛び抜けているようには見えないが、主人公のお守り役のあの一言が、キーワードだと思う。彼の最大の武器と魅力はそれなのだろう。
    ロマンとかリアルとかウィンウィンという言葉が台詞に出てくるので、最初は面食らった。ゆうきまさみ氏のようなトリックスターだからやれてしまう、確信犯的オーパーツである。しかし、時代考証ガン無視のド派手な傾き者ファッションや、なんだかよくわかんねえ格好のくノ一が出てくる歴史漫画よりはよっぽどいい。
    ところで、解説漫画に出てくる蜷川新右衛門て、寺社奉行のあの人?三代将軍足利義満に仕えてた「しんえもんさん」?ってことは、この先一休さんが出てくるんだろうか。

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