露伴先生の見聞録がこの短編集であり、相変わらずわがままでエゴイストな彼だからこそこの懺悔室における罪の「告白」も全てがつまびらかになったのだと感じます。
これから先はネタバレですが、自堕落なせいで浮×者になった男が自分の死に関与した青年を祟り殺そうとする話です。
結果論ですが復讐のためとはいえ幸福の絶頂から突き落とす事を目的としてあれほどの財を得させた事を考えると、あの東洋人は死にたくなければ死に物狂いで稼げは少なく見積もってもトウモロコシを使ったおかしやコーンフレークでそれこそ脱落なんてしないでいられたのだと思います。
自身の体たらくを棚に上げて逆恨みをした事で、殺×と裏切りと恨みにまで至ったのが今回のエピソードです。
そして何よりも漫画では難しい叙述トリック(小説ならば文字で誤認させられ、映像ならばリアルタイムで情報を紛れ込ませられる)を描いた事により、冒頭の『実際に この耳で聞いた』という状況にリアリティを持たせていると思います。
これ以上の詳細はまだ読んでいない方々にとっては本当に蛇足な私見なので割愛しますが、荒木先生は前向きな悪人を描くのが本当に上手いと言わざるおえない物語でした。
by 名乗らない方さん
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