【ネタバレあり】[小説]キャラメル味の恋と幸せ【SS付】【イラスト付】のレビューと感想

リスの獣人のお話ははじめてでした
それにタフィというお菓子にもすごく興味が湧いてます
リス族の中でも、受け入れられることなくよそ者扱いされて肩身の狭い日々を過ごしてきたのに偶然知り合った貴族に気に入られて戸惑うばかりで身分差を感じながらも好きな気持ちが大きくなって、これからどうなるのか不安ばかり
お菓子作りで気持ちが落ち着くけど、それすらも悪用される
幸せになることを不安に思うなんて切なかったです

ほろ苦くて甘い

ざっくり言うとひとりぼっちの薄幸な少年と王子様のいわゆるシンデレラストーリーです。
でも二人とも心に重いものを抱えています。

マウロはリスの獣人で、手作りお菓子を売る他に宿屋の掃除洗濯などもこなしつつ、獣人だと下に見られながらも一生懸命生きています。
そんなマウロには故郷で背負わされた罪人の烙印があるのです。
一方の王子様は、見目麗しくて気さくな慈善家ではあるのですが、その実人やものを愛する気持ちが分からない。
そんな二人がマウロの作るタフィーが縁で一緒に住むことになり、段々と気持ちを通わせていきます。
でもそれぞれの心のわだかまりのせいですんなりとはいきません。
王様や王妃様は意外とすんなり二人のことを認めてくれたものの、やはり立場の違いから身を引く決意をするマウロ。健気過ぎて泣けちゃいました。
もちろんちゃんとハッピーエンドにはなりますが。

マウロの作る、ちょっぴり苦くてでもやっぱり甘い胡桃入りのタフィー。
イコールこの物語なんだと思います。
そして私が一番ツボにハマったのはマウロのふさふさの尻尾！
イラストが綺麗で、特にエッチの時の尻尾の状態が目に浮かんで萌え萌えしちゃいました。