5.0
大人な話
若者の変化や成長を描く先生の作品が元々好きですが、今回は、また深い(重い)所もついてきているな、と思いました。
以下、ネタバレ込みです。
話には、うつの描写もあり苦手な人も居るかもしれないです。
これ一本、これしか自分にはない、と思っている人の(先生の過去作:JOYの岡崎君をちょっと思い出しました)そのピークが過ぎ去ってしまった=終わってしまったのか…と感じた後の身の振りは凡人の自分には想像し難いですが、木内のピークから現在を思うと切ないです。
中條も中條で、ゲイである自分を身近な人に受け入れてもらえなかった傷があります。
ゲイを特に気にせず受けとめる木内と過去のバンド活動を知っていても、ただ普通に接する中條と。
意図せずともお互いの傷を癒し、自然と変化していく2人が良いです。
「好き」とか「ドキドキが」とかを連呼しないで大切な存在=?と読み手に思わせる感じが、ラスト含めて絶妙です。もうそれは恋でしょ!と途中突っ込みたかった所もありましたが(笑)
書き下ろし含め幸せそうな2人が見れて良かったです。
- 8