4.0
不思議な読後感
お伽噺のようでした。
親同士の確執の中で育まれたトラの恋人の光、親の反対の中で恋人になれたのに光は事故で亡くなり迷わずトラも空を飛ぶ。目覚めれば250年の年月が経ち両親も友達もおらず、そこには反対していた親から託された光の代用品である出来損ないのアンドロイドのヒカル。全てが受け入れられずにいたけれど、光とは微妙にズレてる残念なヒカルを徐々に受け入れた矢先に現れた正規品のヒカル。トラに必要なのは残念なヒカルだとわかり再会したのも束の間、再び250年後に目覚める事となる。本人の意思ではなく翻弄されるトラが切ない。それでも2度目の目覚めでは迷わずヒカルを探しに向かう。ひたすら向かう先は昔2人で話したたわいも無い会話に出ていた場所。後半それが明らかになってからは、ラストシーンまでロボットのセリフではないが祈らずにいられなかった。
出来損ないアンドロイドのヒカルが「とらさん」と呼ぶシーンと、リンゴの皮を剥くシーンが癒されました。
by
ちこα
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