【ネタバレあり】羣青のレビューと感想

彼女の夫を彼女に言われるままに殺めたレズビアンの友人との逃亡。殺めるのは許される事ではないけれど、二人は幸せになって欲しい。

映画化（映画は見てないけど）により知り読んでみたけど面白い。今の時代でも同性愛者ってきもちわるいとなるのに、ガラケー時代…コギャルがいるような年代じゃ今より偏見強いだろうから口コミ通りかなり切り込んだ面白い作品。子を死なせたお母さんの話は泣いた。

キャラの気持ちを美化せず
ありのままに描いてある気がする。
ていねいな分
ストーリーの進みは遅く感じる。

早く先が知りたいときにかぎって
セリフなしのシーンや間が入ったり。

演出・間の使い方・作風・雰囲気など
魅力に感じるその一方で
ページ数が かさむ…！と思ってしまった自分もいる。
それだけ早く続きが読みたくなった。

感情をぶつけ合って
傷付け合ったかと思えば
それでも2人また一緒にいる。

仲が良いのか、悪いのか
よく分からないけど
とにかく不器用…。

頭はよさそうなのに
どっちも感情的になると
後先考えずに行動してしまう。

行き当たりばったりだし
車・所持金をスパッと捨てたり
やってることが意外とワイルド。

登場人物たちにどうか幸あれと
思いたくなった。

カラーの絵とモノクロの絵に
最初ギャップがあったけど
内容に引き込まれました。

登場人物たちの関わりの中で生じる、複雑な感情表現が秀逸です。
痛々しいのに鮮烈で目が離せなくなります。

生き切って。

一気読みしました。
2人とも不器用で、矛盾してる自分の気持ちに気づかなくて、でも離れられなくて。
2人がしたことは、許されないことです。
でも、お互いが思い合う気持ちは本物でした。
溺死した彼女も、そのご両親も、お兄さんも兄嫁さんも、万引きを通告した彼女も、それぞれの思いが伝わってきます。

刑期を終えてからか、このまま逃げ切るのかわからないけれど、2人には生き切って、温め合いながら生き切ってほしいです。

個人的には、兄嫁さんがすごく好きでした‼︎