3.0
題名はきれいだけど...
生まれながらに顔にあざを持つ主人公に顔に傷を持つ知人を重ねて読み進めた。外見でわかる「違い」は素直な子どもたちに指摘されたり質問されたりするし、容姿を気にする成長期は辛い思いを沢山すると思う。話の中にあるように、同様の悩みを分かち合えたり話せる友達がいることがどれだけ救いになることか。高校に入って受け持ちの新人教師がわずらう相貌失認という障がいは初めて聞いた。外見ではわからないが人間関係で相当苦労するだろうなと想像する。主人公だからこそそんな担任を何かと気遣い手を差し伸べていくー必然的なつながりかな。物語は主人公の成長に合わせるようにゆっくりと進み、最後は心理カウンセラーとして母校に戻った主人公と元担任が再会し将来を誓う。扱うテーマが努力だけでは解決できない問題だけに読んでいて重苦しく感じたが現実にある問題を改めて知る機会を与えてもらった。
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