5.0
本当に血の繋がった叔父と甥ということで、そこはよかった。
率直な感想としては、みんな歪んでる。
このお話、キャラもストーリーもとても魅力的です。甥の寿々雄、叔父の糺、寿々雄を好きという宝良、それぞれ色んなベクトルに狂ってる。
甘々な愛とは程遠い、痛みを伴う愛が描かれてる。
なので、読むのはご注意を。
以下かなりのネタバレです。
最終的に、結ばれるわけですが、飢餓感をもって自分を求めてほしい糺は、浮気します。それによって自分を求める寿々雄がより獣のようなそんな目をするのを見たいから。自分のすべてを与え、愛すると誓う、けど、寿々雄のものにはならない。しかし、そんな糺をやはり寿々雄は愛してるわけです。
寿々雄は糺を自分だけのものにしたいんですよ、
でも糺が寿々雄だけのものになると、糺が寿々雄に興味をなくしてしまうんです。腑抜けた目になってしまうから。
だから糺はあえて浮気をすることで、激しく自分を求める寿々雄になるように仕向ける。糺がほしいのはそういう寿々雄だから。
二人は永遠に満たされることのない飢えを抱えながらお互いに求め愛し合うという形を選んだわけです。
ミダスというタイトル、そしてこの結末、作者様見事だと思います。
歪んだ愛の形なので、読む人を選ぶし、わかりにくいし難しい。
☆1つ減らしたのは、私が唯一許せない浮気の要素があるからです。
この二人の場合単純な浮気ってわけでもないけど、やはり想い合ってるの2人ならば浮気要素は許せない。
ストーリーだけでしたら秀逸だと思います。
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