葬送行進曲の投稿まとめ

葬送行進曲
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みんなの評価

作品レビュー レビュー33件

お役立ちレビュー

  1. 評価:4.000 4.0

    現代の寓話

    この作者は、今、自分が最も注目している漫画家の一人である。
    極めて現代的な観点から、しかも普遍的な角度で、老いや死を描くことの出来る、稀有な作家だと感じる。

    昔話の中では、桃が流れてきて元気な子が生まれるとか、おむすびが穴に落ちて財宝が手に入るとか、老人に唐突なラッキーが訪れて、何だかんだで誠実な老人はハッピーになり、意地悪な人間にはバチが当たる。
    が、現代は(多分、本当は昔もだろうけど)誠実な老人にとっても過酷である。
    夫には先立たれ、子どもには見捨てられ、近隣からは孤立し、家はゴミ屋敷となる。
    そんな老婆に訪れた「不意なラッキー」を描いた作品であり、私は、現代社会におけるひとつの寓話として読んだ。

    また、この作者の漫画には、罪と、罪に対する許し、というテーマが繰り返し出てくる。
    寓話的でありながら、単に「善人は結局めでたしめでたし」というだけの話ではなく、そこには罪という影があり、それが作品に奥行きを与えている。
    清廉潔白ではなく、自らの罪を自覚しているがゆえに、他人の罪に対しても寛容であれる、という本作の主人公の姿は、ひとつの本質かもしれない。

    星をひとつ引いたのは、「よろこびのうた」があまりに圧倒的すぎて、つい比較してしまったせいである。
    そういう意味では、私の評価は、あまりフェアではない。

    by roka
    • 5
  2. 評価:4.000 4.0

    子供嗤うな来た道だ 年寄り嗤うな行く道だ

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    って、父から聞いて育ちました。福祉関係の仕事をしていますが、家族による「老人虐待」のケースが多く切なくなります。でも、身体や認知機能が衰えた一人の大人の暮らしを助けるって簡単じゃないし、ましてや働いていたり、小さな子どもがいたら尚更。
     話に出てくるお母さんも命懸けで子ども産んで育て上げたのに息子2人は旦那さんを亡くしたその後の母を放ったらかしなうえ、惨めだとばかりに馬鹿にしている(嗤っている)。因果応報…息子2人はお母さんの年齢になった時に困ればいい💢と思う。(お母さんは最期、主人公に救われて良かった…これも因果応報だと思う)

    • 2

最新のレビュー

  1. 評価:3.000 3.0

    なんだろう。独特な絵柄で懐かしさまでもかんじる。不思議と安心感があるというか、あやしさでいっぱいなんだけども。

    • 0
  2. 評価:5.000 5.0

    スッキリおわる

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    犯罪馬鹿息子が自業自得で捕まったり、強欲兄弟が遺産を殆ど受け取れなかったり、最後は人柄の良い主人公がちゃんとスッキリめでたしになる後味の良い話でした。これくらいの短編だと読みやすいし、良い。

    • 0

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