女衒夜話
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あらすじ
終戦直後の東京――。女をかどわかして売り飛ばすことで生計を立てているキリオと、場末のバーを営む殺し屋の裕也。闇を這いずるように生きる二人の男は、ある女との出会いで運命の歯車をくるわせていった…。
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ユーザーレビュー
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切なく沁みる
ヘンゼルとグレーテルの童話に登場する魔女は、迷い込んだ哀れな子供を、最後には食べてしまう目的で肥らせる。
自分をそんな魔女に重ね合わせ、自分の存在意義を自問自答している女衒のキリオ。
そして、そんなキリオがとある女と出逢ってしまって。。。
切ない男の深い悲しみと、愛し合っているときだけ、相手を独り占めしていると感じる、切ない恋をする女の思いが綴られているストーリーで、時間軸が前後しながら、さらに深くストーリーが進んでいきます。
元殺し屋のマスターも、違った意味でキリオを愛した、愛しすぎたんだなと、最後まで読んで感じました。
おすすめです!by ミルッヒ☆- 38
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5.0
最初の2話を読んで、キリオが殺されてしまい…そのあと、またキリオのストーリーが始まったので、あれ?順番おかしくない?と思いましたが、すべては後のストーリーが最初の2話に結びつくというわけなんですね。
こういう組み立て方もあるんだと感動しました。
画力もいつも素晴らしいですが、時代の雰囲気作りが圧巻です!
ワイルドなキリオも、クールなユウヤもかっこいい。
女性が読むマンガで、この時代のものは珍しくて新鮮でした。by にこにこさくらちゃん- 34
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5.0
秀悦な作品
実際はもっと酷い時代で、残酷な日常だったと思うけれど、もんでんさんの画だから、引き込まれて最後まで読めたと思う。キリオ、裕也、シロ、そして美都。それぞれがそれぞれを愛しているのに、愛は残酷な終わりを迎える。美都ひとりが全ての愛を背負い、シロを支え 支えられながら前に進むのであろうラスト。美都がいてくれて良かった。もんでんさんの作品の中でも、特に秀悦だと思える。
by 匿名希望- 23
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5.0
終戦後の日本、夜の繁華街が舞台。
軸として描かれる、闇社会に属する二人の男の関係は、友情にしては深く、互いに相手に殉ずるようなものだったように思う。
それを取り巻く女達のそれぞれの生き様。
少女、子持ちの女、性格の強さ、弱さ。年代も性格も様々だが、みな引き込まれるような魅力を持っている。凛とした眼差し、生きるために決める覚悟。現代ではなんとかなるだろうことも、ままならなかった時代に生きた人々の強さというものはこうかと思わされた。
そしてやはり、絵が最高に美しい。男女の顔や肉体、この絡み合いの魅力を、これほど引き出せる作家というのはそういないだろうと思う。エロ、ではない。性、とかエロス、というものだった。切なく力強く、人間らしい生き様が描かれていた。by まだかいな- 19
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4.0
ただただ切ない
もんでんあきこ先生の作品は、本当によく作り込まれているなぁ、と毎度感心しています。
特に時間を遡って現在に戻って、先に進む・・・というストーリーのつなげ方は秀逸!
現代を舞台にしても、近現代を舞台にしても、個性的で魅力的な登場人物と抜群の画力、表現力にストーリーの緻密さが重なり合って、余韻の残る読後感がずっしり来ます。
個人的には「浮舟」の話が切なかったですが、この作品の最後の最後に美都子さんの、何かを守ることで自分を生かしていく逞しさとか弱さを同時に感じでやはり切ない気持ちになりました。
作品の長さの割には内容が濃厚です。
割高感も無く、おススメします。by レイコさん- 7
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5.0