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5.0
結末に期待してます。
どんな漫画も作家さんの願いやメッセージ、あるいはその人となりが表現されていて、漫画の内容と同じ程度にその表現するモノに関心があって読んでます。自分のことは棚上げですが、漫画に表現されているものが浅薄なものに感じると読むのをやめます。
本作品は主要な2つの夫婦それぞれの視点がどちらが悪いということなく表現されていて、1人1人の人生を概ね現在の時間軸で描かれてます。
主人公みちが女性なため、その配偶者の陽が読者のフラストレーションの的になりますが、フラストレーションの原因は陽だけにあらず、お互いの関係性にありお互い様であることは、みちの後輩の指摘や誠との時間などからみち自身も気づいていきます。ワイドショー的に相手方に悪い原因を被らせないリアルさが主人公の視点から表現されているあたりが、私は単純なので関心を寄せている理由です。
一方で、もうひとつのレス夫婦である誠と楓もレスの関係に向き合います。ひとつ不満な点は誠が楓との営みに求めるものの描写が今ひとつ足りないように感じます。拒否される虚しさ悲しさ寂しさが描かれるものの、その元となる願望が伝わってきません。女性読者を対象とするためいらないかもしれませんが。ただ、誠のような男性は少し聖人じみていてリアルさが欠けます。楓が少しヒステリー気味で、レスの関係に真正面から向き合えず、それこそワイドショー的に相手に一方的に否を向けがちな点は、作家さんのバリキャリの方への皮肉を、性格の悪い私は穿ってしまいます。
どちらの夫婦も、夫と妻お互いが先延ばしにしてきたテーマに向き合い始め、まとめに入りつつあります。私からすると、夫婦にとって決定的に埋められない溝に気づいているように思います。このときどうするのか、簡単に離婚という決断をするだけなのか、溝を埋めるよう夫婦関係の修復に乗り出す浅はかな結末なのか、一方の満たされない妻が他方の満たされない夫が再婚してチャンチャンとするのもなんとなく浅はかな感じもします。
作者さんがどのようなエンディングを考えてらっしゃるのか、またエンディングまでどのようなプロセスを描かれるのか、そのメッセージを楽しみにしています。
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