5.0
読後感を味わう名作
一見誰でもかけそうな絵だが、この少い線だけで
微妙な心理描写を描くのはかなりの高等テクニック。
恋愛があるわけでもなく、漫画だから!という突飛な設定もなく、自分の半径数メートルの中で起きそうなドラマ。
ラストに向けて娘の心理描写が描かれることで、読者それぞれに自由に「その後」を想像することの出来るエンディング。
手紙の中身を知りたくなった娘は答え合わせのために、父親に会いに行くんだろうな。と勝手に想像する。
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一見誰でもかけそうな絵だが、この少い線だけで
微妙な心理描写を描くのはかなりの高等テクニック。
恋愛があるわけでもなく、漫画だから!という突飛な設定もなく、自分の半径数メートルの中で起きそうなドラマ。
ラストに向けて娘の心理描写が描かれることで、読者それぞれに自由に「その後」を想像することの出来るエンディング。
手紙の中身を知りたくなった娘は答え合わせのために、父親に会いに行くんだろうな。と勝手に想像する。
コロし屋なのにコロしてはイケナイ設定にしたことが、この作品を名作にしている。
反社組織の中でも、最も一般人からかけ離れた存在であり、都市伝説にまでなっているコロし屋ファブルが、殺さない(コロすことを禁じられる)ことで、様々な面白みを生み出しているし、ミサキとの間の空気感も成立する。
厳密には、デザイン事務所の社長とミサキ以外は、悪人しか登場しないはずなのに「コロさないファブル」が悪人ではない立ち位置で、ヒーローのように活躍する。
佐藤アキラ(仮名)には、幸せになろうなって欲しい(笑)
小説というジャンルを使いながら、既得権益とか体制を突き崩す新しいパワーを表現し、なかなか面白いのではあるが、画力がどんどん劣化していく稀有な作品。
主人公が水着姿になるシーンは、プロの漫画家がこんな画力でいいのか?と目を疑うレベル。
風景の描き込み、料理、食材の描き込みが、どんどんレベルアップしていく。
キャラの描き込み(内面描写)も、進むに連れて深まって、どんどん読み進んでしまう。
登山なんて変態の趣味やろ!と思ってたのに、その考え方が覆されていく(いや
ヤッパリ変態的だけど)
登山や料理がメインだが、やはり主人公キャラの作り込みが細かく深いのが読ませるパワーを持ってる佳作。
義理人情に走りがちなジャンルに
戦略と戦術で戦う主人公を導入するという発想は高く評価するが
キャラの描き分けが、全く出来ておらず
酷い時は、どれが主人公かすら分からない。
深い意味の無いコマとコマの長い空間(スクロール)も不快。
設定により、一部のジャンルや作品が非表示になっています