5.0
カバーイラストそのままの優しく温かい世界
うぉー。なにこれ!マイナスイオンに溢れてる、浄化作用ハンパない!!
カバーイラストはパッと見で目を引かないといけないので過激になりがち。なのでBLは主人公のペアが半裸で絡んでいるものが多いけど、たまにそうじゃないのもある。ストーリー重視の身としてはたいていそれはアタリ。
本作はカバーが表現するイメージそのままで、主人公の二人が醸し出す優しくて温かい世界が広がってます。
植物学専攻の院生御影が、研究室に入ってきた2年生の七星(ななほし)に告白されるところからストーリーが始まります。
189センチ、元空手部で強面の七星に、小柄でコミュ障の御影としては第一印象はよくない。でも真面目でなにかと気遣ってくれる七星が気になっていたところ苦学生なことがわかり、経済的に助けるためにルームシェアを申し出ます。
冒頭のシーンは同居生活が始まって半年後のこと。
淡い好意を抱いていた御影は七星の気持ちを受け入れたものの、中学卒業時に同級生に告白して失敗した苦い経験から人と深く関わることを避けてきたため、どう関係を深めていけばいいのか悩んでしまう。
そんな御影の気持ちを大切にする七星に、もうほんとありがとーーー!!いいヤツ!!!と背中をバンバンしたくなる!!!
人を思いやれる、精神的にとっても大人な七星ですが、実は高校時代に暴力事件でを起こしてしまい、将来有望だった空手を続けることを断念したというツラい過去が。
事件の連帯責任で空手部は大会出場停止、退部、大学への推薦が取り消され、打ち込んでいた空手を辞め、家族とも断絶って、想像するだけで息苦しくなります。
何をしたらいいのか、道を見失っていた七星を救ったのが実は御影。
新しい世界に導き、可能性を開いてくれた御影に「ずっとお礼が言いたかった」というシーンは、知らずに誰かを助けることもある、真面目に地道に生きていていいんだよというエールでもあって泣けます。
研究室の植松教授もいい味出してる!
「好きなことを続けてると同じものを好きな仲間が見つかるもんだよ」は沼にハマッっている人たちにとって心強い言葉じゃないかな。
ふたりがそろそろと近づいていくので進展はめっちゃスロウ。でもそれがいいんだなー。
お互いを思う優しさが、空回りするストーリーもそれはそれでいいけど、これはカチッとはまっていて、メチャクチャ癒やされます(*´˘`*)
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ハロー、グリーンデイズ