タツの子さんの投稿一覧

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作品レビュー
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1 - 10件目/全96件

  1. 評価:5.000 5.0

    子猫の一途さが、可愛い。泣きました。

    恋もエロもなしです。子猫のお話、全3話。

    子猫の前世は、犬。
    気の毒な、可哀想な犬生でした。
    死ぬ前の最期の願いは(猫になりたい…)。

    猫に生まれ変わったけれど、また棄てられ、命を落としそうな時、女子高生に救われます。

    この人と暮らしたい、と思う子猫。でも、女子高生は「私、犬派だし」。
    前世の犬の記憶をフルに、一生懸命いい子を伝えようとしますが……。

    一途な子猫も、女子高生の一家も、やさしい気持ちがいっぱいで、泣きました。
    幸せな結末なので、安心して読めます。
    短いので、興味があったら、ぜひ読んでみてください!!

    • 175
  2. 評価:5.000 5.0

    抱腹絶倒な、コメディマンガですー!

    普段はBL中心に読んでますが、『ミステリと言う勿れ』で作者さん(田村由美先生)のファンになり、このGWは旅行に行くより安い…と言い訳して『BASARA』『7SEEDS』を課金して読み尽くしました。はぁー。凄かった。

    しかし、何とも辛いシーンや結末などがあり(花ちゃん、安居を許してやって…)、落ち込んでいたときに、何気なく読んだ本作にドはまりし、抱腹絶倒っしたー!

    十色商事という会社を舞台に、俺様で雄フェロモン振り撒く赤木、クールに見えて負けず嫌いな美形の青木、童顔可愛いのに青木のボケにツッコミを入れる後輩の緑川…と、それぞれが自分の色にこだわりを持ち、張り合うコメディです!!

    いや、マジで面白くて大笑い。恋愛話は、ほとんど皆無。
    お正月に黒仏部長の家でやった色ガード合戦、キャンプでの誘.拐事件、創立記念の大晦日マラソン…などなど、行事も面白いのですが、赤木の赤フン事件など普段の業務にも笑いが満ちていて、いい会社だなぁー。(笑)

    各話の章タイトルが偉人の名言だったり、色ネタでも次々といろんな言葉が出てきたり。『ミステリと言う勿れ』を読んだ時も思ったのですが、作者さん(田村由美先生)って、スゴく物知りでいろんなことを独自の視点で見ている方なんだなぁー、と感嘆。

    レビューを拝見すると、『BASARA』などに比べると浅い…という感想が多く、それで点数も低いようですが、本作は全くの別の面白さであって、絵もキレイだし自分はこういうのもあり、むしろ大あり!だと思いました。

    1話完結なので(1話の中に2作入っているのもある)、ちょこちょこ読むのにもいいと思います。お笑いやコメディ好きな方にオススメです!

    • 23
  3. 評価:5.000 5.0

    主人公が前向きで、強く凛々しく格好いい!

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    何度も弑されては、婚約破棄の場面に戻って人生を繰り返す…という話は、どうしても重苦しさや心の闇を孕みやすく。(『悪役令嬢は五度目の人生を邪竜と生きる』『108回弑された悪役令嬢』…等)

    だが、しかし!本作のヒロイン・リーシェは前向きで、強く賢く、凛々しく美しい。
    まぁ兎に角、べらぼうに格好いいのだ。

    それは、ループのたびに(計6回…)20歳で亡くなるまでの5年間、様々な職業(商人、薬師、侍女、騎士など)で、働く充足感を知り、広い世界を楽しみ、全力で生き抜いてきたから。

    なので、悲劇的な事象のタイムループだが、基調はポジティブで明るく描かれていて、7度目の波乱の人生に挑むリーシェを、素直に心から応援してしまう。

    しかし、リーシェの死はいつも、皇帝アルノルトが引き起こした侵略戦争と絡んでおり。
    そのアルノルトに気に入られ、婚約者となったリーシェは、戦争を回避して今度こそ長生きしよう!と頑張る…というストーリー。

    過去の知識や経験を生かし、道を切り開いていくリーシェが、格好いいし面白い。
    5年ぽっちで、職業を極めてるチートさは置いといて、これまでのループがちゃんと生かされてるのが、何となく嬉しい。(無駄死じゃなくて良かった…)

    ふと思ったのだが、繰り返す5年×6回=30年と、現在の15歳を足して、実年齢は45歳とか…?うーん、少し違うかなぁ。
    経験値、能力値としては、しっかり積み重ねている。
    だが、人として、人生としては……彼女はずっと、20歳で止まったまま。このループから抜け出せない限り、永遠に。
    それは、怖くて哀しいことだ。

    年齢にそぐわない経験や思考、生死を達観しているような冷静沈着な言動、しかし最期まで生きることを諦めない強い意志。

    そんなリーシェに心惹かれ、彼女に問い質すアルノルトと、秘密は隠しながらも心情を吐露し、彼と真っ直ぐ向き合うリーシェ(23話)で、現在の配信はここまで。

    原作小説も4巻まで配信されていて(自分も少し読んだ)、興味のある方はそちらもぜひ。
    かつてのタイムループで知り合っていた、各国の要人や王族との再会(?)があり、その人脈や人間関係を生かすリーシェの活躍で、面白さは増し増しかと。

    冷酷、残虐、無慈悲…と言われるアルノルトの半生が、リーシェと出逢ったことで、これからどう変わっていくのか楽しみです。

    星は4寄りの5で。

    • 22
  4. 評価:5.000 5.0

    大人の恋愛に疲れた方に、ぜひオススメ。

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    大人の恋愛は、綺麗事だけでないドロドロした感情や生々しさ、破綻や別離もあり。
    それは不可避だし、陶酔や恍惚もあるので否定するつもりは無いけれど、時には傷つき過ぎると、疲れてしまう時もあって。

    そんな方にオススメしたいのが、本作でありまして。(現在の配信は43話で、まだ続く)
    絵は好き嫌いが分かれるかもしれないが、大正時代の家屋や服装、日々の営みも丁寧に描かれている。


    ※以下、ネタバレ含みます。ご注意ください。


    時は大正5年、家同士の都合で許嫁になった軍人の文治と富豪の孫娘の姫子だが、お互いに大切に思いあっていて…。


    この姫子ちゃんが、何とも愛らしい…っ!
    純粋で素直で無垢で、一途に文治を慕っており。
    12歳だが、箱入りで可愛がられて育った感じで、精神年齢は8歳ぐらいじゃなかろうか。

    だが、子どもを舐めてはいけない。3歳だろうが8歳だろうが、どんなにおぼこくても恋はするのだ。
    文治の匂いにクラクラしたり、触れられて真っ赤になったり、文治のイケボっぷりを熱弁したり…と、微笑ましい。

    しかし、そこに生々しさは無く。文治も姫子を可愛く思っているけれど、それは「恋愛」よりも「慈愛」の方が合っているようで。

    時代の差か、軍人の人生観か、彼が元々持つ性質なのか、文治は現代の30歳よりも、大人で達観している。
    姫子にとって、文治は恋する「許嫁」でもあるけれど、頼り甲斐のある庇護者でもあり、人生を導く師のようでもあり。

    夏に引越してきた姫子には、驚くほどに父親の影が無い。
    母は愛人宅に入り浸りの父親と離婚して、祖父の元に身を寄せたのだろうか。(祖父と姓が同じ)
    だとすると余計に、大人で懐の深い文治への憧憬や慕情は、純粋で強いだろうなぁ…。

    「3年」の長さを“未知”だと感じる姫子と、それを諭して「(大人だから)待てる長さ」と言う文治の話が、自分は1番好きだった。

    軍人としての文治は、少佐で第三師団の大隊長であり、腹の底が読めず周囲を畏怖させる一面も持っている。
    そんな文治に、小さな腕を精一杯広げて抱きつき、守りたい癒したい…と言う姫子は、本当に尊い。可愛い。
    そして、それをちゃんと分かっている文治も、いい男だなぁ…と思うのだ。(男としての色気も、めちゃ凄いー!)

    文治は3年後や大人の姫子も愛するだろうが、奇蹟のようなこの時間も、とても美しく優しいと強く思う。

    • 20
  5. 評価:2.000 2.0

    一生懸命で可愛いと見るか、我が儘と見るか

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    毎日無料を少しずつ読み進めているが、この主人公(マイン)に苛つくことの方が多く、だんだん苦痛になってきた。

    一応、前世は社会人だったはずが、我が儘で自己中で、見た目通りの幼稚な子どもにしか見えない。

    転生直後ならともかく、いつまでも汚い臭い不味い、あれが無いこれが無い…って。
    基本的に、この転生してきた異世界を見下しているようで、マインを可愛がっている家族や友人たちが、気の毒になってしまう。

    何よりムカつくのが、「やってもらって当然」な感覚で。
    体が弱いから、「やってもらう」ことが多いのは仕方ない。だったら、まずは「ありがとう」じゃね…?

    感謝には労り(いたわり)の心もついてるんだよ、マイン。
    大事にしてくれてありがとう、この家族が大好き…という気持ちがあれば、自然と自分も何か役にたちたい、この人たちに何か返したい…と思うはずなのに。

    そういう気持ちがあれば、前世の知識を生かしたい…という行動も、この世界を見下しているのではなく、受け入れ馴染んだ上で、自分の出来ることをしようとしてる…と思えるのだが。

    しかし、「本を読みたい」という我欲に粘着偏執し、周囲を振り回し続けるマインは、いっそ清々しいほどに自己中で、夢に向かってがむしゃら一直線…なのだ。

    それを一生懸命で可愛いと見るか、手に負えない我が儘娘と見るかは、読者次第で。

    自分は、嫌だなぁ…。
    もし、ずっと文化の進んだ異世界から現世に来た、こんなのが「妹」と入れ替わり、「⊥∃∞が欲しいのに、Ψφξが無い~!」とか訳わからんこと騒ぎ出したら、問答無用でおやつ抜きにする自信があるっ!!

    …トゥーリよ、あんたは偉いよ…。

    少しずつ、この自己中が変わり、大人になっていくのだろうか。(あぁ~中身は一応、もう大人なんだっけな…)

    • 22
  6. 評価:5.000 5.0

    これは、絶対に課金してでも読みたい!!

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    月末のポイント節約中なので、無料配信10話までしか読めてないが、いやコレ面白い!!

    異世界転生で、前世の知識を元に便利な道具を作る…と聞くと、あ~よくあるねぇ、と思われるかもしれないが。

    本作は、主人公のダリヤが便利道具(ドライヤーや防水布)を作り上げるのに、試行錯誤し工夫を重ねているのが、見ていて楽しい。(魔法や魔石で、ホイホイ出来上がる訳ではない)

    そして、その試行錯誤の中に、心温まる人間ドラマがあるのだ。
    特に、ダリヤが初めて作ったドライヤーなんか、カルロ父さんの愛情や幸せが溢れてて、読み返すとポロポロ泣けてくる。

    10話までの重大なキーパーソンとしては、何と言っても兄弟子で元婚約者の、トビアスだろう。
    本当にどクズの大馬鹿野郎で、こいつと泥棒猫エミリヤの破滅を読めるなら、なんぼでも課金してやるわーっ!(ただし来月で…ゴメン)、と鼻息荒く思っている。

    ただ、ある意味、彼は善人でバカ正直なんだろう。少なくとも、彼とエミリヤの中では。
    だから、本人は悪気なく、ザクザクとダリヤを傷つける。

    婚約破棄に始まり、新居、婚約腕輪、魔導コンロ…と色々あったが、自分が一番腹が立ったのは、トビアスが「(ダリヤとの繋がりは)魔導具だけだ」と言ったことで。

    恋愛感情は無くても、力を合わせて穏やかに幸せに暮らしていこうと思っていた。だから、極力トビアスの好みに合わせていた。
    双方の親が亡くなった後は、お互いに支え合ったと思っていた。
    そんなダリヤの思いや願いを、この馬鹿は全く分からずに踏みにじったのだ。

    そんな中でも、「うつむかない、生きたいように生きよう」と前を向いて進む、ダリヤの強さや潔さは、とても美しく心惹かれる。
    だからこそ、ダリヤの周りには応援してくれる人々が集まるのだろう。

    波乱と苦痛の翌日に、騎士ヴォルフとの出逢いがあったのは、ダリヤにとって幸いだったと思うし、一読者の自分もホッと明るい気持ちになれた。

    個人的に、男女の恋愛ベタベタ展開はあまり興味が無く(お好きな方には申し訳ないが)、レビューを見るとダリヤとヴォルフが程よい友人関係の距離でいるようなので、その点でも先が楽しみで。

    単なる転生チートな異世界ファンタジーではなく、健気で明るく前に向いて進む、魔導具師ダリヤの活躍が、これから読めると思うとワクワクが止まらない。

    長文、失礼しました。

    • 17
  7. 評価:5.000 5.0

    2巻目が配信されて、ますます面白く!

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    婚約者のドクズ王子のゲスい裏切りで、死ぬ間際に6年前にタイムリープした、辺境領主の娘・ジル(表紙手前)。
    王子との婚約を避けるため、とっさに求婚した男は、隣国の皇帝・ハディス(表紙奥)で…。

    いやー、可愛い絵柄で明るくコミカルなノリなのに、陰謀や謎も孕んだスリリングな展開で!
    最近2巻目が配信されたんですが、謎や人物像がより鮮烈になり、ますます面白くなってきましたー!

    ジルは多大な魔力と「軍神令嬢」の異名を持つ武功と知略があり(現在は10歳の少女だが)、呪いで味方のいないハディスに「貴方は私が守る!」と宣い、実行しちゃう熱血漢。(くどいけど、まだ10歳ー!)。
    マジ、強くて頭が切れて格好よくて、惚れ惚れします、はい。

    ハディスは、タイムリープする前(6年後の世界)では、ジルの母国クレイトス王国と戦争していたラーヴェ帝国の皇帝で、ジルも戦場で対峙し敗けたことも。その時は、人間を呪っているような非情で冷酷な皇帝だった、…のが。

    しかし現在、ジルのプロポーズに有頂天になるお調子者で(何度も書くが10歳なんで、皇帝ロリ疑惑がーw)、「僕の紫水晶」と呼び、手作りお菓子と料理で胃袋を掴もうとする、寂しがりで健気な素顔の一面を見せ。

    しかし、2巻では事態を冷酷に見据え処断しようとする、ジルには見せない為政者の顔も。
    軍港を統治している反ハディス派の貴族の陰謀を、事前に察知していたり…と、性悪(?)な切れ者でゾクゾクくるー。

    そして、陰謀を食い止め人々を守ろうとする、ジルの活躍を楽しめるのが2巻でして。戦う女の子が大好きな方は、是非オススメかと。
    断罪と圧制をするはずだったハディスを止めたのもジルで、この2人が出会ったのはお互いにいい事なんだと信じたい。

    だが、ハディスが「俺は君を好きにならないが、君は俺を好きになって欲しい」と拘る理由や、ハディスにかけられた呪いの正体、不穏な皇族たち(特に兄)の動きなど、謎や陰謀はまだまだ続き。

    竜の庇護を持ちながら不遇で孤独な皇帝ハディスが、勇気と才気と真心を持つジルに救われるハピエンを、楽しみにしています!
    (お互いに好意を持ちあってるのが、微笑ましくて可愛い…。)
    あっ、それと、クレイトスのドクズ王子を、再起不能に叩きのめしてやれますように…。

    • 17
  8. 評価:5.000 5.0

    姫様は、時間が戻ってもアホの子なのだww

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    サクサク読めて、コミカルで面白い、悪役令嬢のタイムリープ転生もの。
    2022年4月現在、11話まで配信されていて、まだ続く。

    1話当たりが長めで(70コマ超えの回も)、テンポ良く話が進むのと、絵が明るく読みやすいのも、いい。

    革命による処刑台から12歳にタイムリープした、わがまま姫ミーナ。
    ギロチンから逃れるため、信頼できる配下を探し、言動を変えていくのだが…。


    ※以外、ネタバレ含みます。ご注意ください。


    このミーナ姫が転生(タイムリープ)しても、やっぱり基本ポンコツなのが、面白い。
    自分のギロチン阻止が目的で、やることなすこと自己中で。

    他の方も書かれていたが、本当に頭の残念な、アホの子なのである。

    しかし、その自己中な動機の言動が、意図せず良い方向に進み、腹心(…ってかもはや信者w)の部下も出来て…と、テンポ良く笑えるオチの連続で!

    なので、『底辺領主の勘違い英雄譚』とかお好きな方は、面白いんじゃないかなぁ…。(笑いのツボが似てると思う)

    貧困窟に診療所を作ったり、腹心のメイドの妹を救ったり、学園に入学する前に因縁の相手を籠絡したり…と、今回の配信はここまで。

    単純だし安易な展開だと思う方もあるかもしれないが、自分はサクッと笑いたい時にいいなと思い。星は4寄りの5で。

    • 13
  9. 評価:5.000 5.0

    スルメみたいに、噛むほどに味が出る。

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    いつも課金して読むのはBL限定の自分ですが、いやー、つい試し読みから全て読んじゃいましたっ!面白い!
    スルメみたいに、噛めば噛むほど味が出る。(現在8話までの配信で、まだ続きます。)

    絵は、いわゆるキレイ可愛い系ではなく、そこに味と温かみを感じ。主人公の福子が仕事の出来るサバサバで、それもいいなと。(シンデレラストーリーが苦手なもので…。)
    要するに、かなり自分のツボに刺さる作品でした。

    こめり先生の『彼と付き合う10のメリット』(BL漫画)のプレゼン告白を思い出し、鬼塚の結婚プレゼンも、お前バカじゃねー?(爆笑)と思いつつ、一周回って斜め上のガチさに絆され、可愛いじゃん…と思ってしまう自分(笑)。

    レビューで、クリエイティブな業界では同業他社との結婚はタブー、というのを拝見し、そうなのか!と目から鱗でした。
    また、お一人様のメリットの方が大きいのでは…?という意見が多く、ナルホドと思ったんですが。

    しかし、30代のお一人様のメリットって、それ自体に漠然とした不安や不安定感も内包しますよね(自分はそうでした)。
    それを突く鬼塚のプレゼン内容だったので、まぁ有りがちな意見だけれど、確かに説得力はあるかぁ、と。

    ライバル視=意識している相手に、「人生の共闘」を持ち掛けられたら、そりゃグッと来る。恋愛脳ではなく、人間として。
    ただ、鬼塚は「結婚はパートナー制度」と断言し、愛情や家庭がよく分からない男のよう。

    それでも、リンゴの試作品やポストイットを、優しく柔らかな視線で見る鬼塚に(詳しくは読んでのお楽しみで、割愛ご容赦を)、自分もキュンが来ましたよーっ!
    無表情な男の自然な微笑みとか、ズルいっすよ、作者さんー!

    同居してぶつかり合いながら、AIのような鬼塚に家族の温かみを伝えていく福子の、自然な感じもいい。福子を選んだとは、実に鬼塚お目が高いぞ!

    しかし、福子で1つだけ気になったのが、土日出勤に絡んでの「それ(結婚)と仕事は関係ないですよね~」という独白。
    それを独身同僚に言われてしまうと、子育てや介護で皺寄せせざるを得ない家庭持ちは、厳しい。
    子持ちの同僚(芹澤さん)を気遣えて、意見を聞ける福子なので、そこは少し違和感があり。

    8話で福子の恋愛トラウマの元凶の元彼が登場し、一気にハラハラ感が!
    鬼塚に元彼を退治してもらいたく、続きを楽しみにしています。

    • 11
  10. 評価:5.000 5.0

    素朴で地に足のついた、北極圏スローライフ

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    ファンタジーかと思って読んだら、北欧の北極圏(ラップランド地方)の生活を描いた、スローライフものでした。(おそらくサーミ族がモデルかと…)

    主人公の青年・リツは貴族(伯爵)で領主だが、村では村人と同じように、狩りや民芸品を作って素朴な生活をしており。
    仮の妻(1年間はお試し期間なので)になった、年上の元軍人・ジークは、リツに教えられながら、その暮らしや地元の人々に馴染んでいく。

    民族衣装、トナカイや犬そり、食事など丁寧に描かれていて。(絵に手描き感があって、温もりを感じるような優しい絵だと思う。)
    狩りもトナカイ、熊、兎、雷鳥…と多岐に渡り、狩った後は解体、保存、毛皮の鞣し…と、作者さんの知識や造詣が、実に深いなぁ…。

    リツとジークが、美しく厳しい自然と共生している日々の営みは、まさに地に足のついた、素朴なスローライフかと。

    その一方で、侵略され辺境の地に追いやられた民族が持つ、異国民への憎しみや警戒心も描かれていて、領主であるが「異国民」扱いされるリツの、繊細で優しく前向きな人物像に深みを加えている。

    軍を退役して第2の人生を模索していたジークだが、まぁとにかく、格好いいのだ。
    言動が男前で凛々しいだけでなく、実直で思い遣りが深い。(地元の女性陣は「いい嫁さんだ」とベタ誉めだしww)

    民芸品でもあるククサ(白樺で作るマグカップ)は、作るのに手間も時間もかかるが、贈ると相手に幸せも贈ると言われていて。
    リツは、ジークが初めて作ったククサを、自分が作ったククサと一緒に、ジークの両親に贈ろうと。

    それを聞いたジークは、自分が使っていたククサも、リツが作って贈ってくれたんだね、ありがとう…と言う。(11話)
    結婚が決まってから、ジーク用のククサを作って待っていたリツの純真な愛情も、そうした無言の心遣いをちゃんと汲み取れる、ジークの気配り思い遣りにも、胸が温かくなり。

    現在、84話まで配信されていて、自分はまだ30話までしか読めていないのだけれど、日々の営みの話なので、少しずつゆっくり読めるのも、いい。
    むしろ、急がずに、大切に、少しずつ読み進めたくなるような作品でした。

    ドラマチックな恋愛ストーリーがお好きな方は、物足りなく感じるかもですが、異文化や素朴なスローライフを堪能したい方には、ぜひオススメしたい作品だと思います。

    • 10
全ての内容:全ての評価 1 - 10件目/全96件

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