5.0
本物
今思えば、当時中学生にすぎない私が、「寄生獣」に惹かれた理由は、それまでに見た事も無い価値観を識る機会を得る事が出来たからなのだろう。そしてそれは、この作品についても同様だと思う。
よくある二番煎じ三番煎じの薄い内容の分際で、部数だけは稼ぐ駄作などとは違い、岩明均さんの作品は、どれも、これまで見た事もない新しい価値観を提供してくれる為、次の話に対する期待感が自然に醸成されていく事になる。
ただ、この「七夕の国」という作品については、個人的にはとても面白かったけれども、大衆受けはしないんだろうな、という気がする。でも、それは悪い事じゃない。
岩明均さんには、糞つまらない大衆の感性に迎合する事なく、ありのままの感性で、本物の創作を描き続けて欲しいと思った。
- 3
七夕の国