年季の入った本の虫さんの投稿一覧

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作品レビュー
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1 - 10件目/全19件

  1. 評価:5.000 5.0

    現在81話まですべて購読した上で

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    先に結論を言いますと、個人的には大好物です。性癖に突き刺さります。
    抉るような暴力性のある魅力を持った作品ですが、難点も多い。
    私にとっては☆5を突き抜けますが、一般的において☆3に留まるのも容易に理解できます。

    ・日本人向けでない
    ファンタジーものとか、中世の西洋文化とか、自分とかけ離れた舞台に慣れている方なら別かもしれませんが、日本人の感性に突き刺さるにはちょっと複雑すぎる気がします。貴族の暮らし、男女の格差、貧富による妄執。日本に生きているだけでは想像するのも難しい事だらけかもしれません。
    ・感情が複雑すぎる
    昨今の日本は「如何にストレスを受けず、自分に都合よく生きていけるか」を突き進んでいるように思うので、そう生きてきた方々にはたぶん響かないかな。サディスティックでもあり、マゾヒストでもあり、加虐体質であり、悲劇ぶったりもする。外国は日本よりずっと感情の振り幅が大きく、それゆえの感性といえるでしょうけど、起伏の少ない日本人には理解できない類の激情で渦巻いています。これを自分なりに噛み砕いて解釈が出来る想像力をお持ちの方は、自分なりの楽しみ方を見つけられる気がします。
    ・背徳的、嗜好的な要素が多い
    姉弟愛、異種族愛。しかも悪魔。そんなものと交わる女、なんて、聞く人が聞けば憤慨モノでは?と思いますが、単純に作品として見れば、個人的にドツボでした。ひたむきで純粋な悪魔。それでいて嵐のような激しい妄執を注ぐ弟。それを怖れ、実の弟である罪悪感に畏れ、その根底で痛ましく慕って欲しいと切望する歪んだ姉。それだけで複雑なのに、さらには前世まで関わってきて情報が渋滞状態ですね。でもその、複雑にからまりすぎて解けなくなった、捨てるしかない糸みたいな二人の愛憎が、痛ましくて見ていられないのに、どうか救われて欲しい、愛情で満たされて欲しいと願ってしまうんです。

    長くなってしまいそうなのでこの辺にします。
    普段から活字などで登場人物のあれこれを想像する楽しみがある方には、とてもオススメ。
    苦手な方はこれを機に是非とも想像してみていただきたい。単純明快なだけではないんですよね。「愛」って。

    • 222
  2. 評価:5.000 5.0

    久しぶりに

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    ふたりの幸せを切望して、どうかどうかと涙が止まらなくなりました。

    正直なところ、漫画としてのクオリティで言うなら☆3.5くらいです。
    急な展開が多く、補足が少ない。脳内補完できる範囲でないものもしばしば。終盤に明かされた事実によって「え、あれも?これも?」と言い募るシーンはもう少しクドイくらいにえがかないと勿体無かったな、とか。(絶対に心をガンガン揺さぶるシーンになりえる部分だったのに、あっさりしすぎてヒロインだけが納得していて、読者が置いていかれちゃう感じ。もっと丁寧な描写で、一緒に打ち震えたかったんですよね)
    最後は一応のハッピーエンドですが、あまりに先が見えなすぎるというか、「え、そんなこと言ったってこの場所でどうやって締結すんの…?心の問題?気の持ちよう?」と思ったり。せめてエンドロール的に、その後のみんなが一コマずつでもいいから垣間見れたら気持ちよかったなと。上の疑問も、「まあなんか色々とミラクルがあって丸く収まったんだな!」って自分に納得させられる事だし。…とはいえ、力は戻ってそうだったな…ありがちな生まれ変わり系かと思ったからそこがよかったけど、だからこその先の見えなさもありつつ。

    昔「破妖の剣」っていう小説のシリーズが大好きで、こういう異種族モノにはてんで弱いんです。
    取るに足らない塵芥のような存在に、強大な何かが自分で驚くくらい引き摺られていく感じ。踏み潰すはずががっちり抱えて守ってしまう感じ。たまらないです。そこの点では大満足でした!

    もう何でもいいから!
    どんなご都合展開でもいいから、とにかく最強に幸せであれ!!…と願ってやみません。

    • 3
  3. 評価:5.000 5.0

    インコ倶楽部で知りました

    個性豊かな鳥さんたちを表現力豊かに描かれていて、本当に読んでいるだけで会ったことがあるような気分になる程かわいくて楽しくて、とてもお気に入りの作家さんでした。インコ倶楽部ではキョロちゃんがメインに描かれていたので、亡くなったのを知った時はすごくショックで…。その頃一緒にいたくまやみどりが毛引きしてしまったのを報告されていたので、あんなに仲が悪そうだったのに、くまもやっぱり鳥だなあ…と、つくづく鳥たちの愛情深さを痛感したものです。最近ではもう鳥の漫画は描かれていなそうですが、こうして読めて嬉しいですね。

    • 3
  4. 評価:5.000 5.0

    切ないだけじゃなく

    ネタバレ レビューを表示する

    なんていとおしいお話なのかなと。

    しかし驚きました。個人的に、究極の「愛」の終着点は「食らう」ことだと自論を展開していたのですが、同じような感性に出逢えるとは。そしてその難しい、共感を得づらいテーマを、これほど美しく儚い物語にしてしまうとは。これはもう、センスの塊ですね。
    みどりちゃんの結末には驚きました。ずっと自分の飴菓子をひたむきに想い続けていた彼の執念というか、いっそ狂おしいほどの囚われぶりがとても好きでしたが、あれはあれでいいのかな、と思えます。彼の待っていた飴菓子は別の道を行き、互いに別の対を持つのに絆を結び合っていく、複雑でもの悲しくて、ひどくいとおしくなる、個々の成り立ち方がとても胸に響きました。
    あの後、彼の飢えは終わりを告げたのでしょうか。何故、彼は飢え続けなければならなかったんだろうか。一度読んだだけではまだ結論が出せなくて、また時間を置いて読み返してみたいなと思っています。
    いい作品を、ありがとうございました。

    • 2
  5. 評価:5.000 5.0

    性別的に

    ヤクザ系にはあまり馴染みがなく、「人殺してるの見てそんなに楽しいかな〜こういうの読んでる人たちって倫理観どうなってるんだろう」と心配になる立場でしたが、コレは目から鱗としか言いようがない。

    まず、キャラがみんな妙にリアル。「え?モデルいますよね?」ってくらい。顔、というか人相も「あーこういう顔つきの人いるよな…」と感じるし、その人柄や言動も、まるで現実にあったことみたいに現実味があって、漫画を読んでいる、というよりドキュメンタリー映画でも見ているような気分で読んでいました。
    広告でやたら見かけるから気になって、無料分を読んで、先が気になって…結局は残り全部購読してしまいました。佐藤兄妹がどうなるのかがもう気になって仕方ない。あんなにも不器用に、でも不思議なほど真摯に「生きる」ことに取り組もうとする主人公が、いっそ愛しく思えました。「普通」を知らないからこそ、自分の体験を物差しにせず、一つ一つ向き合って、どんな小さなくだらない事でも馬鹿にせず吸収しようとする姿が、何というかグッときて、「ミサキちゃんがきゅんとするの分かるなあ」と思ってしまいます。

    後はあれですね。実に軽やかに、日本の現状を組み込んでいてリアルでした。
    その視点を持っているかいないかで、世界は変わって見えると思います。筆者さんもそうたんでしょうか。…でも逆に、そんな世界でこんなに純粋な人がいるなんて、と思える主人公が、とてもイレギュラーな生業をしていて。でも最後まで、何にも染まらずまっすぐに歩んでいく姿に、胸がスッとしました。

    ちょっと下品だったり残酷なシーンも作品柄描かれてはいますが、女性や未成年でも読める範囲に考慮されているので、是非読んでいただきたい。このピュアさはきっと未知です。ハマります。

    • 1
  6. 評価:5.000 5.0

    いい感じに「いいとこ取り」

    な作品でした。
    好きですね、こういう味わい深い感じ。

    化け物の不自然なバランスの造形や絵のタッチがムヒョロジっぽいな、
    「怪異」に焦点を当てているあたりが物語シリーズ調だな、とか思いながら読んでいました。
    色んな作品に明るい方なら、もっと見つけられるのかな。
    単純に「パクリつまらん」というよりは、色んなものの「いいとこ取り」な感じで、読者としては、個人的にですが面白かったです。女たちの異様な執着、主人公のした過ち、監視している人間、それに警告する新しい一派と、謎めいたものが絶妙なタイミングで絡んでくるので、続きが気になってあっという間に配信分を読破してしまいました。更新が待ち遠しい限りです。

    レビューはすこし辛すぎますね。じっくり読んでみると味わい深い作品です。
    ホラー系、ミステリー系が好きな方には刺さるかもしれません。私はとても満足でした。

    • 0
  7. 評価:5.000 5.0

    デビュー当時から

    好きな作家さんで、コミックスも買っていました。
    しばらく書店から離れていたのですが、場所を取らないという理由でデジタル書籍に手を出し始め、ふと気になって検索したら、記憶よりずっと刊行されていて嬉しいです。

    この作家さんはいつも、ストレートに惚れた腫れたではクリアできない、人の「心」に焦点を当てています。今回は同性。性別が違うからって、想い合えるのが当たり前ではないんですよね。人を愛しいと思う気持ちは、一体どこからくるのか。そこに優劣なんてあるのか。当たり前が当たり前ではなくなった時、どう感じるか。読み手によって感想が違うだろうと思います。
    私は、「相変わらず、痛々しいほど純粋に心を向けてくるなあ」と懐かしく思いながら読みました。上部だけでない、深層からの「その人」と出逢った時、それが「普通」ではなかったら、大概の人は「異物」として嫌悪します。それをしないヒロインの真っ直ぐな心が、とてもきれいで、愛おしく感じました。ふたりがどうなっていったとしても、お互いに幸せになって欲しい。できるなら、一緒に歩んでいってほしいな、と思います。素敵な作品に感謝を。

    • 0
  8. 評価:5.000 5.0

    無料分から読み進めて、

    ようやく真価を知ることが出来ました。古い作家さんですし、無料分だけでも十分楽しめはするんですが、掴み所のない桐山くんが掘り下げられるごとに、その言動にどんな意味が込められていたのかが明かされるたびに、桐山くんにそうさせるののかちゃんの純真さと、それを大切にする桐山くん二人がどうしようもなく愛おしくなって、言葉になりませんでした。本当に唯一無二で、どうあっても、何の力も引き離すことのできない、生まれ落ちた瞬間から相手に出逢う為に存在したような。そう思えて、ぐさりと心臓を抉りました。心の底から、読んでよかったと思います。

    • 0
  9. 評価:5.000 5.0

    ここまでの硬派

    なカレはなかなか最近見ないですよね。そういう意味でも新鮮でしたけど、全体的にとても丁寧に描かれていて、安心して読める作品でした。ヒロインは真っ直ぐでウブで、なのにピンと芯が通っていて、とても好印象でした。柳生くんも表題通りの硬派!って感じで、人に対して誠実だし、女の子への意識が鑑にしたい出来の良さ。よくある少女漫画のように強引にことを運んだりはせず、おしゃべりでもないのにあくまでも対話で関係を築いていく姿にとても男気を感じました。ニイモちゃんだったり、まわりのキャラ達もしっかり作られてて可愛いし、これから先がとても楽しみな作品ですね。

    • 0
  10. 評価:5.000 5.0

    いい感じ

    当初、年頃なのに「女」より「マスコット」であることを選んで引っ込みがつかなくなった感じのヒロインにはとても同情してしまって、幸せになれよ〜と思っていたのですが、話が進むと強烈なポジティブ妄想浮かれ女子に変貌するので、正直ちょっと鬱陶しかったです。相手の立場や気持ちを考えずに、思い立ったことをすぐやって、自分のしたいように周囲を巻き込んでいく姿を見ていると、まるで幼稚園児のようで。思ったよりクセのあるヒロインだな…と笑
    ただ、一度挫かれてからは、ちゃんと自制するようになったので好感を持てるようになりました。

    相手の藤原くんは特に何の文句もありませんでしたが、こちらも途中から「おいおい、今更その手のひらの返しようはないだろう…!」と目に余りました笑 あなたが最初から向き合ってればこじれずに、誰も無駄に傷付かずに済んだのでは…と思いますが、根は悪い人じゃないと思うし、人間そう器用に出来ていないので、まあ仕方ないのかな…。

    反して友人のカレンちゃんや途中から親密になる白滝くんは中も外も出来すぎていて、「周りがこんだけいい感じの漫画も珍しいな…」と思いました。ヒロインのあの過ちを許してあげられるカレンちゃんは女神だし(私なら正直ドン引きして友達やめたい)、白滝くんも飄々としながら傷付いたり色々と我慢したりしてるはずなのに、誰にも当たらないし。クール系の藤原くんより、実は中身はオトナだな…と。いい女といい男の二人が、それぞれ今後幸せになってほしい…!
    ヒツジちゃんと藤原くんは、落ち着いたら脇目も振らず例の二人に感謝してほしいなと思います。

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