5.0
学生時代、みんな悩んでるんだね
無料分読んで、結局は冊子で30巻揃えました。初めは単純に貞子ちゃんが可愛かったから、読み続けたかな。
中学から高校って、環境が変わるし、当然友達も変わるし、自分で考えて選択してゆくことが増える時なんだよね。ある意味、自分らしさを見出せるチャンスで、っていうことを教えてくれる作品でした。
爽子は友だちと仲良く出来なくて、ずっと悩んでいるけれど、あくまでポジティブ。失敗しても次はどうしようかな?友だちに勉強を教える妄想をして勉強が楽しい、とか。後半に「黒沼は自分がやりたいことを、ずっとやってきている」(風早くん)、「爽子を弱い子だって思ってるかもしれないけど。無視されても挨拶し続ける子だよ。」(矢野ちん)
そういう芯の強い子に惹かれてゆくのだと。
ここに出てくる登場人物は、良くも悪くも目立つタイプでレッテルを貼られてしまっていて。貞子だけじゃなくて、爽やかな風早くん、直ぐにヤレそうな矢野ちん、怖そうな吉田さん、男に媚びる胡桃沢、ついでにアホなピン。
それぞれに、レッテルと自分自身の内面ギャップにもがきながら、自分らしさを理解してくれる友だちや先生に出会い、高校生活だけじゃなく、将来を選択してゆく過程が、青春というか甘酸っぱい感じ。
その意味では貞子のキャラが際立っていて、不器用さや、ひたむきさが、周囲を素直にさせてゆく、物語としては優しい作品です。
後半は急にピンが教師らしくなり、どの子の良さや可能性を信じて、たとえ友だちと離れたとしても、将来をよく考えることを諭したり。
実は、最初から最後まで苦悩していたのは風早くんで。その視点で読み直すと、また違った味わいが出るかと。
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