4.0
義憤
類経験者として、救いと再考のご好機を与えて下さった作品でした。
未遂とは言えど傷は同じということを、(少しでもムラりとした)加害者予備軍・好奇的オーディエンスに知って頂きたい。
他でもない、
これをお読みの、そこのあなたのことです。
題材として高校教師×白夜行を起想した方がおありかもしれませんが、本作品の様に逃げることなく刑を受け止める主人公さんは人としても男としてもキャラクターとしてもあまりにもご立派で、当事者としてわたくしはこの瞬間、彼の存在を切望していました。
誰か来て、誰か助けて、誰かこいつを二度とこんなことさせないようにして…!と。
わずか13歳の彼は実行して下さった。
しかし、彼の義憤による超抑止的行動は刑法上では犯罪。
では、どうすれば良かったというのか。見て見ぬふり?止めに入る?人を呼ぶ?懲らしめる程度のダメージを負わせる?
そんなのはいずれも彼女か主人公にとって不利であり、加害者がその後加害し続けることを止めることが出来ない、だからこそ、この類いの卑劣な犯罪が止まらないのでしょう。
奴をこうする前に今一度、他の方法は無かったか。
それを描いてくださったら、文学史上に残る名作になりうるのでは。
やむを得ない人間性に満ちた犯罪よりも、よりスマートな解決法を描ききるお力が作者さんにはおありだと信じる一ファンとして、星一つ減らしたエールを送らせてください。
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