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作品レビュー
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21 - 30件目/全81件

  1. 評価:4.000 4.0

    よく練られたストーリー

    好きな作家さんなので、あまり深く考えず読ませて頂いたけど、いい作品でした。
    終始さらっとしている様で、実はとてもたくさんのテーマが盛り込まれていて、静謐な中の熱さを感じました。

    1編目の主人公は男子大学生。
    手のパーツモデルという少し珍しい職業を垣間見られると同時に、彼の恋やトラウマや気づき、それらによって得た成長が描かれています。
    彼が恋するお相手の彼女の健気さや、彼のマネージャーのひたむきさ、彼本人のまっすぐな素直さ、それはすべてが優しさで、3人のさりげない善良さが好きです。
    ただ彼女、危険な事故に見舞われ過ぎ?
    2編目は女子高生が主人公。
    彼女の背景がとてもナチュラルで、内容がすんなりと入ってきました。
    決して孤独ではないのだけれど、こういう環境だと感じがちな淋しさ、それ故の結果が無理なく描かれていると思います。
    ちょっと不穏な感じの描写も、楽しませてもらえました。
    途中、結構早い段階でオチがよめてしまったので、それだけが残念でしたが。

    どちらも少し重めなテーマですが爽やかさもあり、暗くなり過ぎていないのも、この作家さんのすごいところです。
    大変、読書好きな方なのでやはり構成力の高さを感じさせられます。
    色々と、練り方が巧みですよね。

    • 2
  2. 評価:3.000 3.0

    ネガティブな言葉ですが

    ネタバレ レビューを表示する

    浪費ってなんか嫌な言葉だなと思います。
    この作品を読んでみて、その意味を考えてみましたが、後悔するかしないかが答えじゃないかと。

    登場する女性達は、なんの意味もなくお金を遣う訳ではありません。
    自分の気持ちや欲望にただ素直なだけであって、ちゃんと葛藤もするし罪悪感を持ったりもしています。
    その結果に満足しているし心を潤しているので、いいんじゃないでしょうか。

    私は阪神淡路大震災で被災し、本当に身一つになった事があります。
    それまで当たり前にあった全部を失い、一からの生活が再スタートした当時から数年間、物理的にも心理的にも欲を感じませんでした。
    住居とライフラインがあるだけで有り難かったし満ち足りてたんですよね。
    でも今や、決して必需品ではない物も買うし、自己満足だろうと、遣いたい事にお金を遣う生活に戻ってます笑。

    どちらが良い悪いではなく、その時々の自分に充足感があり、誰にも迷惑かけないのなら、それでいいんだと思います。

    浪費って心の余裕なんですね。
    響きはネガティブですが、漫画の内容はポジティブです。
    ただ私が、この漫画が面白くて購入して良かったか、後悔しなかったか、というと微妙です。

    • 3
  3. 評価:5.000 5.0

    猫だったらどうだろう

    この漫画は、凄い。
    ここ最近、これほどまでに配信を待ちわびてしまう作品には、お目にかかれていませんでした。

    誰ひとりとして絶対に避けて通る事など不可能なテーマ、死。
    小説、映画、ドキュメント、あらゆる媒体で常にスポットを当てられ続け、そこに終わりがくる事はないでしょう。
    そんな中、色々な捉え方、考えの在り方、数々の死生観を目にしてきましたが、その発想はなかった!
    もうきっと、皆さんもそうだと思いますが、まずタイトルに痺れました。
    このタイトルに惹かれて試し読みをされた方はとても多いと思います。

    最初は絵が苦手でした。
    でも読者を少しずつ少しずつ引き込んでいく様な、作品の世界観に魅了され、今ではこの絵でなくては有り得ないとまで思わされる、作家さんの力量を感じました。
    ちょっと中毒性すらあるというか。

    次はどんなエピソードなのか、どんなラストを迎えるのか、というのも当然気になりますが、勝手な妄想も広がります。

    もし、もしも、この春に逝ってしまった愛猫が何かの間違いで死役所に紛れ込んだら、職員の皆さんはどう対処してくれるだろう…とか。
    ちょっと見てみたい。
    いかにもなお役所仕事だったりして。
    でも、愛猫が望めば、私が逝くまで死役所のマスコット的な職に就かせて、待たせてはくれないでしょうか。
    いや、自分勝手な希望だな。

    • 1
  4. 評価:5.000 5.0

    儚く美しい「光」達

    「少女」でも「女性」でもない頃、そんな瞬間を刹那に描かれている良作品。
    過ぎてみれば本当に一瞬で、あの頃は良かった…などと振り返ったりするけど、その真っ只中にいる間は悩み苦しむ女の子がほとんどだろうと思います。
    そんな女の子達をとても良く捉えていて、引き込まれました。

    冒頭から中間くらいまでは、登場人物それぞれの闇が深そうで心をザワザワさせられますが、その後一気に展開して、タイトルの意味がしみじみきます。
    「閃光」でも「閃光少女」でもなく、カタカナで「センコウガール」なのが作中の重い部分を爽やかにしてくれていて、バランスがいいですね。

    民子がとにかくキレイで眩しい。
    キラキラして瑞々しくて、なのに儚げで。
    ずっとそう感じながら読み進めてたら、このラスト。
    ああ、だからこんなにも美しく儚く、作中に存在していたのかと、胸が痛くなりました。

    そしてそれまで、たいして魅力的ではなかった他の登場人物達も、民子と関わる事で次第にキラキラと閃光を放ち出す、作家さんのその表現力を素晴らしいと思いました。

    父の法要の度に説法をいただくのですが、故人を度々思い出し、話題にするのが大切なのだと。
    この女の子達もそうであって欲しいです。
    亡くなった彼女達の輝いてた姿を思い出しながら、ずっとキラキラしていて欲しいです。

    • 1
  5. 評価:4.000 4.0

    サイダーはポジティブ

    CM漫画にレビューするのもいかがなものかと思いますが、結構好きですw
    絵がとてもキレイな作家さんですよね。

    1話目は、仕事を辞めるのを踏み止どまる女性が更に跳躍する兆し。
    2話目は、女子が潔く部活を辞める決意をするけど爽やか。
    どちらも同僚男性、先輩男子の言葉に救われているという、ほんのり恋のテイストがあります。

    どの道を行こうと、それは途で、また未知でもあるという感じでしょうか。
    前向きでさえあれば、大丈夫という趣旨でポジティブさがサイダーとの相性良しですよねー。
    確かにちょっとネガティブな時にサイダーはチョイスしませんわ。

    • 1
  6. 評価:5.000 5.0

    オチが秀逸

    極道だとかシノギとか、不穏なワードが満載なのに、とても楽しいギャグ漫画。
    この作家さんはかなり笑いのセンスのある方だと思います。
    たぶん素材が何であれ、このセンスの良さで笑わせてくれるんだろうなと、妙な信頼感まで芽生えてしまいますw

    1話ずつの読み切りですが毎話、ラストの〆が本当に秀逸で、いわゆる「オチ」に力を入れてかなり心を砕かれて描かれてるんじゃないかと想像してみたり。
    ページが終わる瞬間に、ほぼ確実に吹き出して読み終われるのが、本当にすごいと毎回素直に感動しています。

    キャラクターに何とも言えないキュートさがあるのも魅力のひとつだと思います。
    どのキャラにも憎めない愛らしさがあってかなり好きです。
    猫だっていちいち可愛い。
    まさかドラマ化されるとは思っていませんでしたが、この作家さんのセンスの良さがお茶の間に広がるのは素敵な事だと思います。

    • 0
  7. 評価:5.000 5.0

    良い後味の悪さ

    こういう可愛らしいタッチの絵柄でホラー系という作品は結構好きです。
    着眼点もアプローチも、あまり他とは被らない感じで、ありきたりではないホラーを楽しく読ませて頂きました。

    後味の悪い恐怖と、後味の悪い曖昧さを履き違えずに表現する事って、たぶん難しいと思うんですが、曖昧なだけやん、と感じてしまう作品もあったりするなかで、こちらの作品はきちんと恐怖を描けていらっしゃるんではないかなと思います。

    暗闇や独りの夜を怖いと思わせる類いのホラーとは違いますが、短編でバラエティ豊かですし、シュールなお話が好きな方は是非。

    • 0
  8. 評価:4.000 4.0

    正しくタイトル通り

    かっこいい。
    シンプルにそう思う作品です。
    様々なジャンルの職業に就いている人物それぞれにスポットを当て、その人物の仕事に対するポリシーやスタイル、生き様が描かれてます。
    それがそれぞれにかっこいいんです。
    正しくグッジョブです。
    時には泥臭く、時にはスマート。
    職業に好き嫌いや向き不向きや得手不得手はあっても貴賤はない、という事を改めて感じます。

    職業別の読み切りなので、気になった職業から入れる読み易さもいいと思います。
    どうしても職業=人生になってしまうから人生観もおのずと付随してくるので、その奥深さもじわじわきます。

    社会に揉まれた大人が読むには、綺麗事に感じる部分も若干ありますが、私は楽しく読んでます。
    今後もたくさんの職業でたくさんの人生を描いて頂きたいです。

    • 1
  9. 評価:4.000 4.0

    死も生も愛も

    ネタバレ レビューを表示する

    死者が視えてしまう彼女と死者の声を聴いてしまう彼のお話。
    ホラーを楽しみながら2人が強い絆で結ばれていくラブストーリーも楽しめます。
    あらゆる死者に対峙しながらも、支え合う2人の愛がなかなか素敵です。

    死者に苦しめられていた彼女の悲痛な声を彼は出逢う前から聴き続け、探していたという背景があるので、彼女を見つけてからの彼の溺愛ぶりは見ていてニヤニヤするレベルですし、常に彼女を守ろうとする姿はかっこよく頼りがいがあります。

    時間軸が行ったり来たりするので、たまにわかりづらい時もありますが、本当に様々な死者が出てきて、生と死について色々と考えさせられるストーリーです。
    ホラーでありながらヒューマニズム感もかなり感じられます。
    死者は怖いもの、という単純な概念ではなく、生きていたからこその悲哀や、死者になってからの孤独、無念が描かれていて、死者は未来の自分なのだと、身近に死を感じさせられて、なかなか深いです。

    • 1
  10. 評価:5.000 5.0

    綺麗事でしょうか?

    この作品を最後まで読んで、綺麗事だと思うのはある意味当然の心理かもしれません。
    うんでも、綺麗事、いいじゃないですか。
    世の中に綺麗事を詰め込んだ作品が溢れているのは何故でしょう。
    ある程度生きてくれば、誰でもみんな心が汚れてしまうものでしょうし、私なんかももうドロドロの真っ黒です。
    汚れてしまった心をリセットする事はできないけれど、少し洗い流すくらいはできるかもしれません。
    この作品はそんな、浄化したい、浄化されたい時に読むと、とても素敵な気分になれます。

    純粋な心を失わない女の子。
    純粋な心を見逃さない男の子。
    純粋な心を失ったままの女の子。
    純粋な心を取り戻させたい男の子。
    みんな素敵です。

    全体のストーリー構成も、無理なく作り上げられていますし、それぞれの心の機微も丁寧に描かれていて、楽しく読めました。
    ファンタジーなので、なんでもアリっちゃアリなんでしょうけれど、それぞれのキャラクターもしっかりとブレないし、個性もみんな魅力的でとても好きな作品です。

    • 0
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