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  1. 評価:5.000 5.0

    人間である事の業と哀しみ

    細かいニュアンスの解釈が難しく、まだクライマックスに達していない作品のレビューを書くのはしんどいが、体調が悪化し始めているので、今書いて置かないと後悔するかも知れないと思って書く。「浮雲」という古い名作邦画があった。戦中戦後を一組の男女が、もたれ合い傷付けあいながら破滅に向かっていく話だ。おそらく原作者と脚本家は、女性の側から見たある種の男の魔性を画きたかったのだろう。だがこの作品が深いのは、一方的に男性を断罪していない所だ。富岡に尽くすために、女性達は他の男を利用し、踏みにじっていく。人間とは、なんと生臭くて業の深い生き物なのか。それを極め付きの美男美女スターが演じているからこそ、共感の余地が生まれたのだろう。
    「娘の友達」の主人公·晃介も、やや面やつれしているとはいえ、端整な二枚目だ。だらしない姿を晒しても、不思議とこの男には清潔感があり、薄汚い感じにならない。これは作者固有の画力によるものだろう。一見すると晃介は、周囲の人々に責められ、振り回されてばかりの様に写る。しかし晃介にも悪い所がある。肝心な所で古都を突き放せず、逆に抱き寄せてしまう。まだ身体の関係には進んでいないが、彼女が自分から離れられない様にしてしまっている。この作品の深さは、「浮雲」と同様晃介や古都の父親を一方的に断罪していない所だ。彼等を非難する美也や古都の母親は、それ程しっかりしたモラルの持ち主なのか?もっと自分本位のエゴイストではないのか。
    作中の晃介氏に一つだけ問うてみたい。何時かあなたは、亡き妻の惠子や最愛の一粒種·美也よりも深く、如月古都を愛する事が出来るのか?それが「出来る」と答えられる様になったならば、世間がどんなに非難しても、私はあなたの味方になりたいと思う。

    • 3
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