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主人公に魅力を感じられない、、、。
主人公はパトロンの義父に砂をかけられないと思いながらも妻を蔑ろにして愛人と過ごす最低男です。物憂げな美しい容姿に惹き寄せられ、女性には不自由しない様子。彼は女性を作品を書くための道具として見ているように思えてなりません。止まっていた筆が進む相手をミューズと呼び既婚者であることも告げないまま逢瀬を重ねる。妻は夫の帰りが深夜であろうとも少しの乱れもなく玄関で待ち続ける貞淑な女性。しかし甘党の夫に好きではない煎餅を出す、嫌がられても寝ずに完璧な姿で帰りを待つ、真っ直ぐ過ぎて少し不器用な気がします。完璧を貫くことより相手に合わせてみたら少しは状況が変わるのでは?夫もため息をつくのではなく、妻に自分の好みを伝え自宅を居心地の良い空間にしたら良いのに。世間に認められる作品を生み出す事が義父への恩返し、ひいては今後の創作活動に最適な環境作りになるのでは?と思いました。義父は主人公の才能を見込み、他へ行かれないよう、手元に置いておくために娘を当てがったのでしょうか?娘が犠牲になっているようで気の毒です。女性を信用していないようで依存している主人公に今のところ人としての魅力を感じる事が出来ず、このまま読み進めるか悩み中です。
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大正諸恋ノスタルジー~文豪と女たちの恋煩い~