4.0
絵がきれい、技術に感謝。
そして同時に、この類の話で気付かされるのは、
「傷ついて育った人を癒し、再び自立させるには、とてつもない労力が必要」
という事実。
現に、この侯爵という「上から2番目」の地位と権力と資産、そして彼自身の底なしの愛情と戦うチカラがあればこそ、廃人同然だったこの主人公を救えたのだ。
そんな、ほぼ無敵かつ慈悲深い絶対権力者がいない現実世界では、いかに傷ついた心を回復させるのが難しいことか。
どんなヤカラでも簡単に、子どもの心を傷つけることができるのに対して…
そして、癒されたサバイバーの提供できることは何だろう。
どうすれば、その途方もない善意に報いることができるのか。
それもまた、深い悩みなのだが。
単に「愛情」だけで済むのだろうか?
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