5.0
贈る気持ち
良作でした!
皆に読んで欲しい。
生前の人気者佐藤くんが抱えてた仄暗い気持ちに、佐藤くんがゾンビになってから触れ合ううちに気付く志田穂積ちゃん。
生前に志田さんが佐藤くんにしてあげたこと。
佐藤くんが志田さんに、思っていたこと。
死んでから志田さんに優しく届きます。
誰かが誰かを想う気持ちって強いほど、渡そう、伝えよう、としても何故か真っ直ぐには届かない。
あわよくば伝わればイイな。
自分が幸せにするんだ、みたいなじゃなく、ちょっとだけ支えになればイイと強く願う。のに、オモテには見せない。
想いだとか伝えたいことは、受け取る側には時間差で届くってこと。摂理だと思いました。
あげたい側も主張しすぎない、もらった側も準備が要る、なんなら気付かないままかも、数十年後にハッと気づくのかも。
市橋くんが可哀想と言う人もいますが、彼も実は受け取る準備が整う段階にきてた、じきに志田さんのように気付くときが来るように思いました。
この話を読んで思い出した話がありました。
認知症の年老いた母親が毎日ひとり出歩いては息子を困らせるのですが、介護職員や近所の人達の話をより合わせていくと、小さい頃の息子の保育園バスを待つために、同じ時間にバス停に向かっていたんです。
息子は何十年も経って母の愛に気付くんですよね。
死んでから届くものもまだまだありますね。受け取る側が想像すればアレもコレも誰かの想いだったと気付けるのではないでしょうか
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佐藤くんが死んでから、