5.0
毒親だった。にとどまらず。
ダメ恋図鑑が好きでこちらの作品に来たら号泣。
誰しも親との確執はあるでしょう。とくに母親と娘の関係性は女特有の機敏がきくゆえに深くなると思います。
長女あるあるは1-6話です、自分の生い立ちを振り返っても思い当たることは山程あります。が、自分が母親となったいま、色んな側面が見えてきました。
子供たちを育児するのは当たり前ですが個人としての時間は少なく、母親役が1日の大半を占め過ぎ去っていきます。また昭和平成の家族のあり様の解像度が上がったというのも理由でしょう。
毒親という結果に終わらず、救いのある読後感が今までに無く素敵です。
7-37話は母親の生い立ちから娘に連綿と引き継がれる負の連鎖が見え隠れします。ですが、ココにも母親視点があり感涙もの。子供を産んだあとの感じ方が秀逸でした。自分が母親になって、他の人間以外の動物は子を産めば死んでいく種が多いのに何故か人間は母親が生き続ける、長い長い育児が待っています。個としての人生は終わり子供に費やします。その単に親になって落ち着いただけではない、前向きに(なんと表現したらいいのか分からない)死んだような「表情」の移り変わりが秀逸でした。ですが、許さない。で終わるのもまた救いがあります。誰もが親のことを許せる訳ではありません。
38-48話 毒親?と見せて、子供が毒子?と言えるのか、果たして一方の視点だけで物事は判断できるのか、という想像力が必要なお話でした。
38-41話はカンナ(娘)視点、42-45話はカンナの母親視点、46-48話はカンナの弟、圭佑視点。どれもに真実があります。
身の回りにカンナのような子がおり、恩着せがましく、権利を主張し、人からもらうことを当たり前とし、近所迷惑の原因がその子だったりします。また高学歴が相まって余計にタチが悪い。母親は矯正しようとしたけれど出来なかった。
またその子の子供たちはエリート家庭に産まれながら母親がそんなだから、将来結婚相手に興信所使われて破談になるんだろうなと予想されます。身内なだけに可哀想です。
課金するなら1-6話は必須、38-45話は次に必死!ハマれば7-37話(後半は読むべき)ですね。
49-51話はポイント余ればでいいのかなと。
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真綿の檻