本当に嫌だよ、戦争は。
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本当に嫌だよ、戦争は。
暴行された女性をここまで生々しく悲しく描いたのは、徳弘先生が初めてだと思う。狂四郎の闇、ユリカの闇。二つの闇が交錯した今、二人は以前の様に激しく愛し合えるのだろうか。二人の新たな試練が始まった。今度の相手は人間ではない。「過去」というモンスターである。
西城は狂四郎に似ている。狂四郎が昔、西城がしくじった分まで「仕事」をしていたというのも何となく分かる。二人共根っからの悪人ではなく心は優しい。おそらく生い立ちは悲しく、ずっと家族が欲しかったんだと思う。
狂四郎は国家の「マシーン」として獣の様に生きながらも、臭いでそれを嗅ぎ取ったのかもしれない。
少年隊達のやり取りは、まるで漫画家が実際に見てきた様なリアル感があった。大東亜戦争の学徒出陣然り、いつの世も未来ある若い命が戦火に巻き込まれるのは悲しい。
登場人物達のほとんどの台詞が印象に残る。特に近藤局長の「歴史とは勝者のみがつむげる金の糸~。」は名言だと思う。漫画なのに、小説を読んでる様な迫力。
新撰組が竜馬を捕らえようした矢先の場面も風雲急を告げる展開で、幕末ならではだと思う。
日本を愛する漢達の想いが時には交錯し、時には熱く激しくぶつかった時代。それが幕末。
竜馬さんは本当はどうしたかったのだろう。天下泰平の時に現れる聖獣「竜馬(龍馬)=麒麟」の名前の通り、この日の本の国を平和に導きたかったのだろうか。だとしても、時代は幕末。自分自身が全く血に染まらず平和な国にするのは、もしかしたら難しかったのかもしれない。
ユリカは狂四郎逢いたさに焦り過ぎた。もっと慎重になるべきだった。
西城の部下の前での発言も良くなかったし、西城の心を知っていて、彼を弄ぶ様な結婚計画も良くなかったと思う。
うーん。なかなかの展開。話が「人斬り竜馬」から「竜馬暗殺」になろうとしている。しかも「竜馬暗殺」の犯人が、彼に恨みを持つ新撰組目線で事細かに描かれている所も興味深い。
一見、鉄壁の様に強固に守られた施設も、特権階級の「プライバシー」には甘かったんだな。正に「アキレスの腱」。
どんなにコンピューターで守りを固めたと言っても、それを管理するのが「人間」である以上、隙は生まれる。
うーん。新たな切り口の時代劇漫画。
ユリカの天使のマネ、可愛かった。
狂四郎の進む道は修羅道。今までも、ユリカに会うまでも。だけど、修羅の狂四郎が彼女を想い一人の青年に戻った時の表情は好き。
西条はユリカの身体に惹かれたのもあったけれど、彼女の純粋な気持ちに惚れたんだと思う。
過去の闇を持つ狂気の谷。その奥底に、ユリカという光がある事を知っているから、狂四郎は飛び込めたんだと思う。
人斬り龍馬
006話
二本松少年隊[前編]少年隊出陣(2)