4.0
綿密に構成されたストーリー
確かに…ぐちゃぐちゃになった小さなピースの一つ一つを探し出して、はめ込んでいくようなストーリーでした。登場人物がそれぞれにいろいろな形で繋がっていて、幼少期から20歳になるまでの長い時を経ての出来事の繋がりもあります。そしてそれぞれが、その時その時で傷つき、苦しみ、迷い、絶望しながらも進んでいきます。その度毎に、読んでいるこちらも心が痛みます。いつの間にかその世界に引き込まれていきます。私はあまり成海くんは好きになれなくて、ヒロインに目覚めてほしい…と思いつつ、彼にふりまわされながらも自分自身の感情を解放できるようになっていく彼女を応援していました。ハッピーエンドではないのが残念とか、最後がつまらないというレビューもありますが、私はエンディング前のクライマックスはすばらしいと思いますし、これ以上のエンディングはないのではないかとも思っています。感動の嵐です。最後の成海母とヒロイン母の繋がりのところがしっくり理解できていないので、もう1度じっくり読み直してみたいと思っています。
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