5.0
死んだ後は
天国なのか地獄なのかそれともどちらでもなく何にもない暗闇を彷徨い続けるのか
次々と現れる登場人物の生きている間の行いにより無機質に振り分けらる、その分かれ道が描かれています
死役所とは、その分かれ道
窓口には総合案内人のシ村さんが働いています
まさに役所の人間のように死んでしまった子どもからお年寄りの方まで案内をしています
どのような相手にも無機質に「聞かれませんでしたので」と。その言葉が人により恐ろしくなることもあり読み進めるとシ村さんの内面やそうなる生前のエピソードや苦しみを想像させられました
人として悪魔のような生きる価値のない人間に対して時折見せる真顔が
より不気味さを増し、最新の話にはシ村さんの死んでしまった理由や経緯が描かれています
どんなに苦しかったであろう、どんなに無念であったであろう
理解されないことがどれほど孤独で理不尽な事なのか
シ村さんだけではなく、登場人物一人一人の生きている間のエピソードが心に刺さる作品です
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死役所