5.0
色んな要素がてんこ盛りの秀逸な人間ドラマ
凄いです、この作品は。
どこまで真実かなんてどうでもいい、リアルな美術界を緻密に描いている。
絵描きはただ描きたいものだけ描いて食べていければ1番、かも知れない。
でも実際はそんな風に生きれるのはこぐごく一握り。
才能 努力 環境 富 名声 バックアップ スポンサー などなど、色々な情報や知識や資金やコネクションに流行や話題性や時代やタイミング。。
ここに人間誰しもが持っている「感情」が入り混じるわけで。
その一つ一つを丁寧に描写しているところが凄い。
そして登場人物も一人一人それぞれに生まれ育って来たこれまでの背景があって、懸ける想いがある。
主人公一希は児童養護施設出身。
しかしそのいきさつはまだ描かれてはいない。
一希は主人公らしく純粋な青年。
一希の才能を見出して支援してくれることになった透。
美術に造詣が深く、富裕な暮らし。
しかし彼も家族に関して詳しくはまだ描かれていない。
幼少期の透と今の透の違いの理由は、父の死の前後の出来事のせいなのか?
そして透への偏愛?を見せる透の幼馴染でアーティストでもある凪森や、輝さんに雲井さんにその他一希がだんだん出会っていく人物達。
みんなそれぞれ色々あって、魅力的でもあります。
美術に無縁の私でも、読んでいて誰でも共感出来るドス黒い感情だったり、自分がお世話になってきたから自分も恩返ししたい思う純粋な感情だったり。
誰かを出し抜かなければならなかったり、分かり合えたようで分かり合えていなかったり。
感情の描写だけでもすごく惹き込まれます。
この作品がこの先どのように展開しどのように着地して完結するのか?
ぜひ最後まで見届けたいと思います!!
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いつか死ぬなら絵を売ってから